幽斎

ゴースト・チャイルド 呪術契約の幽斎のレビュー・感想・評価

3.0
C級スリラー(ホラー)をレビューする、Scavengerシリーズ第28界。原題「Blood Child」カナダ制作だが、カナダって単語の羅列で意味が通らないフレーズを平気で使う。一層の事公用語のフランス語にしたら?(笑)。AmazonPrimeVideoで0円鑑賞。

アマプラ謎映画なので製作は2017年と古く、日本のトランスワールドアソシエイツは、スカベンジャーを捜すだけでお金が貰えるが、Amazon、Netflix、Apple TV+の三つ巴の消耗戦も何となく結末が見えた。監督の脚本と制作の自主映画、劇場公開を前提に創られカナダで上映されたようだが、アメリカへNot Ratedで入荷され、系列局の深夜枠でひっそり放送。実話を忠実に再現した映画ほど基本的に無味乾燥で面白くないのだが。

「Story based on true story」←皆さん、どれ位信じますか?。アメリカの場合は意外と厳しいクリアランスが有り、嘘八百の場合はプロデューサーを平気で訴えるので、出典元は割と担保される。だが、本作はカナダのトロントで治外法権。信じるか信じないかは貴方次第(笑)。「一連の出来事は全てそのまま描かれてる」ハッキリ宣言するが、実話の中で何パーセント抽出してるのかは知る由も無い。本当に実話なのか、簡単に分かる方法をお教えしよう。本編で何時の話なのか年数を明らかにしてるか確かめて欲しい。

妻役のルックスは抜群!Alyx Meloneと、イケメン旦那Biden Hallはヴィジュアルならスカベンジャー優勝だが、如何せん演技が拙く、逆に見た目が良いので怖くない感が強い。私はスリラー派なので享受出来るが、ホラー派の方は「何で人が死なないのか?」怒り出すかも。監督の演出も映画製作のABCが出来てない。カメラワークとか時間軸の描き方とか一から勉強し直す必要が有る。

酷いのは露骨なアジア差別。G7劣等国のカナダがどの口で言ってるんだと思うが、インドネシアの家政婦はイビリ倒すわ、東南アジアの国を後進国と罵るわ、ホラーじゃない所が胸糞悪い。アメリカは家政婦紹介の斡旋はなく派遣なので立場は法律で守られてる。「シンガポールの病院で流産した」コレは事実かもしれないが、差別は見ていて不愉快千万。

登場する黒魔術はインドネシアに実在する呪術「ドゥクン」。無神論は認めない国で国民の9割がイスラム教徒。私は元クリスチャンですが、タイのホラー映画「女神の継承」見て分かる通り、キリストを信じる者が異教に頼って破滅を招く事は、別な意味で天罰が下った。自業自得を実話と言い切られても、観客は全く共感出来ない。「アレ」で全員死亡と言うなら伏線要らずで何でもアリ。蔑まされた彼女だけが生き残るのは、自然の摂理でオチとしては悪くない。アイデアは良いので、私のマエストロJames Wan監督がChemical Reaction(演技の上手い俳優をアメリカではコウ言う)俳優を使えば「死霊館」レベルの作品には成ると思う。まさかのリメイク?(笑)。

シンガポールは東南アジアの中でも安全な国なので、興味の有る方は暇潰しに為るかも。
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