王冠と霜月いつか

タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスターの王冠と霜月いつかのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

She is made of iron, sir. I assure you, she can. And she will. It is a mathematical certainty.      
「これは鋼鉄でできています。沈むことはありますし、沈みます。数学的に絶対の確実性で」

↑は直訳で、実際は字幕なので、コレをそのままスーパーインポーズしたら人間には文字量が多すぎて読めないので、「鋼鉄製の船は沈む。物理的理由で」位の意訳になってます。戸田奈津子さんの字幕を誤訳が多いと否定する人はその辺が解ってないかも知れませんね。 因みに、アイアンマンのスーツは金とチタンの合金ですが、TITANICにはtitaniumは使われてはいないのでしょうね(^_-)

タイタニック、実は初めて観ました。

ジェームズ・キャメロン監督は好きで、数有る映画の中で彼の作品の鑑賞率が最も高いと思います。未だ観てないのは、アビスと殺人魚フライングキラー位です(殺人魚フライングキラーはターミネーターの着想を生んだとされる作品です。円盤は持ってます。)
 タイタニックはベタなラブストーリーだと思っていたので、今まで何となく避けて来ていました。
叙事詩的ロマンスパニックムービー…とでも云うんでしょうか?勝手に思い込んでいたり、コントの元ネタに成ったりで知っていた部分はほんの一部のパートに過ぎなかったのだと実感しました。今回、3Dリマスターでスクリーンで観ることが出来てとても良かったと思っています。

まあ何と言っても、レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットのお美しい事。人間は外見ではなく中身だと普段思い込む様にしておりますが、容姿端麗は欠かせない要素ですね。キャシー・ベイツに衣装を借りて着替えたレオ様の美しさは同性の私も惚れ惚れする限りです。ケイト・ウィンスレットも顔面は勿論、胸部や臀部も大変魅力的でした。ヌードモデルになるというのは、芸術とエロスの境目を行ったり来たりする行為だと思いますが、二人がそこで一線を越えないのは素敵だなと思います。

もし、レオ様演じるジャック・ドーソンが生きていたとして、二人がその後結婚したら幸せな人生を送れただろうか?と考えてみましたが。
ローズがジャックを好きになったのは、自分が政略結婚をさせられそうになっていた事と、上流階級にはいないタイプの男で彼の一挙手一投足が新鮮に感じられたからだと思うのですが。経済力ではフィアンセのキャルの圧勝ですので、もし、ジャックがあの時の貧乏青年のままだったら、ローズも早めに後悔していたかも知れません。但し、ポーカーで一発逆転出来る運、食事会で腐されてもユーモアと賢さで切り抜ける知能、それと絵の才能と美しい顔面。キャルは世界恐慌で破滅して自殺したとローズが語っていましたが、ジャックには無限の将来性があった訳ですから、きっとなんらかで成功を収めて幸せになれていたでしょう。ポーカーで勝ってタイタニックに乗れたのは運が良かったのか悪かったのかはわかりませんが💦

ただ、命を賭けても、人を好きになること。愛することというのはかけがえのない素晴らしい行為なのだと思います。私には出来なかったことで残念に思っています。

先述したようにタイタニックはベタな恋愛映画だと思っていましたが、パニックムービーとしての時間帯が長いです。沈没まであと1時間となってからが有名な船首での二人のシーンより数段盛り上がります。二人が「必死」に「生きよう」とするシーンはとても勇気をもらえます。
また、人間の行動は窮地に追い込まれた時に本来のモノになるのでその辺の描写が面白く感じました。責任者なのにさっさと脱出ボートに乗り込んで安堵している者、責任有る行動を取ろうとし過ぎてルールを守ろうとしない人を撃ち殺してしまう乗組員、汚い手を使って上手く立ち回ろうとする者、諦めて神に祈ることしかしない者…

どこのシーンで自分の涙腺が弛むかと考えていましたが、私は、音楽隊がここまでといったん解散して脱出しようとするシーンで、ヴァイオリニストが戻ってきて演奏を続け、他のストリングス達も結局戻ってきて、賛美歌を演奏し始めるシーンで来てしまいました。
「君達と演奏出来たことを誇りに思う。」
彼等は実在の人物なんだそうですね。自分の使命を全うする。大なり小なりありますが大切な事ですね。

年老いたローズがわざわざ調査船にヘリでやって来た目的が解ったとき、流石のジェームズ・キャメロンだなと感心しました。

スコアは、文句なしの5.0です。異存はないでしょう。