パスト ライブス／再会のbolso13のネタバレレビュー・内容・結末

前評判を聞いてちょっと期待し過ぎてしまった。
ほぼほぼ思った通りのストーリー展開だったが、撮影が素晴らしくセリフのリズムやトーン、編集の間も良くて序盤はワクワクして時間を感じさせない。
ラストの３人揃い踏みのシーンではヒリヒリと痛くなるような空気感がしっかりと伝わってきた。
国境を越えたり、二十数年もの時間を経て再会するなんて極端な状況はなかなかないだろうけど、こんな嫉妬と寛容と期待と後悔なんかが渦巻く簡単には割り切れない状況って誰にでも経験あるものだと思う。
が、ハッと驚くような想像を超える展開はない。じつにリアルな物語。

最後の最後にヒロインがアーサーに抱かれて泣き始めるシーンがグッと刺さった。
劇中唯一、意外な展開でハッとした。これまでの会話の一つ一つの重みが増したように感じた。

ドキドキするようなストーリー展開を期待するような作品ではなく、誰にでも起こり得る簡単には消化しきれない感情を冷静に描いた映画だった。
レビューを書いていくうちになんかとても良い作品だったなと、改めて感じた。