HAYATO

ソウルメイトのHAYATOのレビュー・感想・評価

ソウルメイト(2023年製作の映画)
4.0
2024年93本目
親友は何処へ。
香港のデレク・ツァン監督が手掛けた名作『ソウルメイト 七月と安生』を、韓国・済州島を舞台にリメイク!
ミソとハウンは、小学生からの大親友。性格も価値観も真逆な2人の幼なじみは、楽しい時も悲しい時もずっと一緒。そんな時間がずっと続くと思われたが、ジヌとの出会いが2人の運命を大きく変えていく。互いのことを思い合いながらもすれ違い、疎遠になって16年が過ぎたある日、ハウンはミソに「ある秘密」を残して忽然と姿を消してしまう。
ミソ役は『The Witch 魔女』のキム・ダミ、ハウン役は『ボーイフレンド』のチョン・ソニ。2人の関係に深く関わる青年・ジヌを『20世紀のキミ』のピョン・ウソクが演じた。
オリジナル版が非常に優れた作品だったので、本作は見ないわけにいかない。ストーリーはほぼ変わらないが、物語を動かすきっかけとして「絵画」を登場させるなど、オリジナル版のプロットに細かなアレンジを加えることで、本作ならではの魅力を持たせている。
ノスタルジックな美しい映像にのせて綴られる回想パートは、2人の青春がたっぷりと描かれていて、観る者を暖かい気持ちで包み込む。
自由奔放に生きるミソと、型にはまった人生から抜け出せないハウンは、互いを補い合うような関係性。別れや衝突を経験しながらも、2人の結びつきは揺るぎなく、何ものにも代え難い「魂」で繋がった友情の強さを感じた。
オリジナル版の監督・デレク・ツァンだけでなく、本作の監督・ミン・ヨングンも岩井俊二作品のファンらしく、女性を主人公に据えることが多い岩井俊二監督の作風が、本作にも少なからず影響を与えていそうだ。
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