脱北する家族に密着した本物の映像を中心としたドキュメンタリーである。再現VTRを中心とした作品や、アニメで北朝鮮の様子を描いた作品などとは一線を画す作品になっている。脱北する家族に密着した映像の他に、北朝鮮で隠し撮りされた映像も多く、貴重な映像が多いなと感じられた。
脱北を試みる家族が、いつ中国などの北朝鮮と友好関係にある国の警察に捕まり、強制送還されるか分からない緊張感は凄まじい。北朝鮮の家族が脱北に成功し韓国で生き生きと生活している姿を見て感動し泣きそうになった。
脱北中の家族が韓国までの道のりの中、ベトナムやラオスの隠れ家で触れる色々な生活物質を本当に不思議そうな目で見る姿が印象的だった。
北朝鮮国民はアメリカ人は非常に残忍な連中だと洗脳されているので、脱北する家族の中のお婆さんは、非常に優しくしてくれる撮影班のアメリカ人に感謝しつつも、急に襲われるかもしれないとビクビクしている姿も印象的だった。
北朝鮮では外の世界を知る術が何もなく、酷い生活でも世界と比べたらここでの生活が一番良いと洗脳されている。
北朝鮮の人達が自分達が住むこの国が、本当はどんな国なのか、知らずに生き続ける事の恐ろしさを感じた。
子供たちはまともな勉強をさせてもらえず、ずっとマスゲームの練習をさせられているのが特に酷かった。
今作を観ると1日でも早く北朝鮮国民が自由になってほしいと切に思う。
