おどろきの白鳥

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間のおどろきの白鳥のレビュー・感想・評価

4.7
侵略戦争は、理不尽という一言に集約される。

ウクライナ・マリウポリの場合、突然の空爆からではなく、静かに遠方で砲撃の音が聞こえるのかなーくらいで始まっていた。

街の人々は「まだ平気だろう」などとたかを括ったあと、1~2日であっという間にロシアが徐々に包囲網を狭め、逃げ道を封鎖される。
一般人が住んでいる街が、電気・水道・放送・ネットなどインフラと情報の遮断を行われる。
ロシアのプロパガンダは降伏を呼びかけ騙し、混乱したこところを一気に蹂躙され、虐殺が行われていくという。
「いま住んでいる自宅」が襲われ、何もかもが奪われる。
何千何万の人々が命を落とす。
それを克明にカメラに写したAP通信の情報を、フェイク呼ばわりするロシア。

ロシアに対する恐怖と怒りしかない。
これが、海を挟んで存在する日本の隣国ロシアの姿だ。

アカデミー賞も納得の迫真の内容。
見るべきドキュメンタリーがここにあった。