しょうやん

丸木位里 丸木俊 沖縄戦の図 全14部のしょうやんのレビュー・感想・評価

4.0
丸木位里、丸木俊夫妻と言えば広島の「原爆の図」で有名で、沖縄戦の絵については、NHKの朝ドラで沖縄が舞台になった時にガマについて調べて知った。沖縄に行かなければ実物は見られないと思っていたので、是非にも見ようと思っていた映画だった。
北海道人にとって沖縄は、南の憧れの地であるのと同時に、アメリカに統治された地である事が、終戦が数日違っていたらロシアに占領されていたかもしれないという思いから、近しい思いがあった。樺太や千島列島は未だに戻ってこないし、冷戦時代の北海道は戦闘機が飛来したり、漁船が拿捕されたり、北の驚異や有事の危機感は常にあったからだ。
丸木夫妻の作成する様子は、現地で死者たちの声を聞き、その強い念に突き動かされ描かずにはいられなかった強い思いが溢れていて、描き上げた14点の作品に、ただただ圧倒され、映画を見終わった時にしばらく立ち上がれなかった。
沖縄の戦争と今に至る戦後を 私たちは知り、伝えて行かなくてはならない。
78年前の戦争ではあるが、作成のドキュメントであるため、「50年前沖縄返還の日、小学校ではお祝いをしたな…」とか、「返還前に甲子園に出場した沖縄の選手は甲子園の土を持って帰れなかったな…」 など思い出しながら、時代を往き来しながら見ている感じだった。
ナレーションのジョン・カビラさんは沖縄の方。どんな思い出で語ったのだろう。
NHKのドキュメンタリーを見ている感じがしていたが、エンドロールに山根さんの名前を見つけ、納得した。
いつか、実物をこの目で見なくては、と思った。
しょうやん

しょうやん