岩男

ミッシングの岩男のレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
4.4
失踪という希望が微かにでもある題材
その希望が純粋な思いを踏み躙る

見えない悪意の標的になり精神を乱していく母と、それと同じように鋭利な言葉を並べて攻撃する姉
悪意ある言葉は誰かを苦しめ、さらに巨悪な怪物が誕生する
と同時に優しさや希望も世界には残っていると思わせてくれるのは心からホッとする

真実の報道と言っては、あまりに残酷な光景に葛藤しながら、都合良く撮影日を偽ったり、目の前で怒っている真実からカメラを背けてしまうテレビマンの存在が結構リアルというか、本当に助けたいという想いが感じられたからこそ、メディアのあるべき姿って何なんだろうってなったな
視聴者視点としても、全てを包み隠さず見せられたところで、同情に終わるんだろうから

憶測や捏造、嘘や冷やかし
人の痛みを嘲笑い、自分より酷い環境にある人を見ては馬鹿にして安心するような人間の愚かさと狂態
いかに簡単に加害者になれる社会なのかを感じ、恐ろしくも感じた

そこに沙織里という人物が確かにいると思わせるほどの石原さとみの怪演が胸をグリグリさせてきた🤚🏻人間ってあんな声が出るんだと思わせるほどの迫力と緊張感!
青木さんは冷静さを失わずに抑えて抑えて耐える役なのにその感情のバランスを失ってしまうあのシーンには泣ける
岩男

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