HAYATO

ネクスト・ゴール・ウィンズのHAYATOのレビュー・感想・評価

3.9
2024年83本目
『ジョジョ・ラビット』のタイカ・ワイティティ監督最新作
世界最弱のサッカーチームの奇跡のような実話をもとにしたスポーツコメディ
2001年、ワールドカップ予選で0-31という記録的大敗を喫した米領サモアチーム。次の予選が迫る中、破天荒な性格でアメリカを追放された鬼コーチ・トーマス・ロンゲンが監督に就任し、チームの立て直しを図る。
トーマス・ロンゲン役を『ザ・キラー』のマイケル・ファスベンダーを演じる他、『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』のオスカー・ナイトリー、『透明人間』のエリザベス・モス、『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』のリス・ダービーなどが出演。
本作のエピソードは、2014年に『ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム0対31からの挑戦』としてドキュメンタリー映画化もされており、本作はそんな実話にタイカ監督らしいユーモアをたっぷり付け加えた楽しい作品。
サッカーは少年時代から青春を捧げてきたので、愛するスポーツを題材にした映画を見ることができて嬉しい。
のんびりとした風土の中で暮らす米領サモアの人々の姿が微笑ましく、タイカ監督は自身のルーツを活かして独特のポリネシア文化を上手いことギャグにしている。
彼らの文化に翻弄され、激昂して自暴自棄になってしまったロンゲンが、米領サモアサッカー連盟会長のタバタに「勝つことがすべてではない」と説かれる場面は、異なる文化の視点が人を救うということを示すだけでなく、本気になればなるほど結果至上主義に陥りがちなスポーツが持つ本来の楽しさを思い出させてくれた。
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