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私がやりましたのblackkazoomaのレビュー・感想・評価

私がやりました(2023年製作の映画)
3.9
オゾン監督作を観るのは初めてですが、凄く楽しめました。

想像してたよりも軽妙で、コメディ色の強い舞台劇を観ているような感覚。(オープニングも「幕」から始まるお洒落な演出)

テクニカラーの映像も衣装も美術も女優さんも美しく、作品自体の作りもレトロチックでお洒落で目と心の保養になりました。

ジャンル的にはクライムコメディになるんでしょうが、作品のリアリティラインというか「ノリ」を掴むまで物語に入っていけず、ちょっと醒めた感じで観ていましたが、警察署での聴取のシークエンス辺りから「観方」が分かってきて、そこからはグイグイ引き込まれて楽しめました。

個人的にはイザベル・ユペールの今まで見たことの無い「まくし立て系」の演技が最高でしたね。コミカルなユペール様も素敵です。

主演の二人も美しく、演技も素晴らしかったけど、脇役もみんな印象に残る個性的なキャラばかり。(家主のオッサンやメイドさんの顔もなんか面白い)

現代のエンタメ界の性的な問題なんかも織り込んでたり、ラストも巧くまとまってましたね。

あんまりこの手の作品は観ないんだけど、これは「当たり」だった。
ただ、反省点というわけでもないんですけど、この作品は劇場で観ないとなと。気持ちよさが全然変わりそう。

法廷も演劇も「演者」と「観客」がいる舞台なのでした~


◆雑記(ややネタバレ)











・なにげに2回目を流し見してたら、冒頭でプロデューサー宅から出たマドレーヌがすれ違う時に肩が当たる相手がユペール様ではないか‼
・ポリーヌはマドレーヌに恋愛感情を抱いてるように感じたけど、そうだとするとちょっと切ないね。
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