話題作だからか平日の昼間なのに満席で一番前で観るハメに。迫力を楽しむ映画ではないのでもう少し引いた状況で観たかった。
主人公の役所広司さんがトイレ掃除するシーンが多くて本来なら退屈するはずなんだけど、これが全然退屈しない。掃除の仕方で主人公の性格が描かれ、またそれを役所さんが当たり前のように演じてくれている。設定が無口というのもあるが、セリフが極端に少ないなかで仕草や目線、表情で語りかけてくる。
なぜ今の生活をするようになったのか等、主人公の過去はハッキリ語られず観る側の想像に委ねられるがこの作品ではそこはあまり求めなくてもいい。毎日同じ生活を繰り返すなかにも喜びや悲しみを感じられる瞬間があり、それが生きる力になることを優しく教えてくれる作品だった。
