先日テレビ番組で痴漢の話題をやっているのを観て久しぶりに観たくなった。公開当時、この作品を観てからは電車に乗る時に必ず両手で吊り革を持つようにしていたことを思い出す。
この作品が公開されるまで周防監督の作品は「シコふんじゃった。」「Shall we ダンス？」とコメディのイメージが強かったので、次にこれが来たのは衝撃が大きかった。また、好きな役者の1人である加瀬亮さんを知ることになったキッカケの作品でもある。
ほぼ法廷でのシーンで話は進むが、この作品ほど主人公に感情移入してしまうものは他になかなかないのではないかと思う。エンタメ要素は薄いけど、痴漢冤罪を題材に日本の司法制度や刑事裁判の問題点を強く訴えかけてくる。ラストの主人公のモノローグが的を射ていて印象に残った。
冤罪にばかり意識がいってしまいがちだけど、痴漢犯罪自体や通勤時の満員電車の現状などにも目を向けていくべきではないだろうか。
