このレビューはネタバレを含みます
やや過剰に感じる演出がところどころあるが、全体的には抑えめで昔のヴェンダースよりは好き。良くも悪くもルーティンからの逸脱は他者によってもたらされている。ストイックな生活に一人で満足しているように見えるかもしれないが、他者や社会との深い関わりありきのように私には思えた。
清掃員をやっていたら社会の汚いところがいっぱい見えるだろうな。私はきっと耐えられない。『タクシードライバー』のトラヴィスのような考えを持つ人もいるんじゃなかろうか。
フィルムを現像に出すという行為が懐かしかった。カセットは私も今では正しく挿入できないかもしれない。スタンダードサイズなのは単なる懐古?客の年齢層は思ったより高かった。
(追記)思い返してみれば出てくるのは綺麗なトイレばかり。制作の経緯から考えれば仕方がないが、やっぱりファンタジーなんだよなあ。