よよよん

PERFECT DAYSのよよよんのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
1.0
絵はいい。役者もいい。
渋谷界隈を自転車で走り回ってる者としては、そっち方面に行って、何故にあの公園のトイレなの?方向おかしくない?という場面がしばしば。極めつけはエンストした車を置いて兜町(渋谷から遠すぎる)から下北(渋谷の隣)って…。ロケーションを知りすぎてると気になってしまう。まあ、フィクションなのでしゃーないが。
そこは置いておいても、渋谷区が排除してるホームレスを豊かさの一端のように見せている欺瞞には反吐が出る。平山さんの雇われ方も、会社に寄ってる感じもないので業務委託の一人親方っぽいんだよなぁ。あと、ユニクロ・サントリー・ローソンと、わかる人にはわかるように商品が出てきて広告屋さんが作った感じが半端ない。
そんな感じでマイナス点をつけたいぐらいなのだが、劇中いろいろあった後に、ニーナ・シモンの曲に合わせた役所広司の演技が良かったので、最低点の1点を計上します。
ただし、得られたものもあります。劇中で「(主人公と妹は)違う世界に住んでる」って感じのセリフがあります。全般を通して登場する人物たちもそれぞれに違う世界にいて、トイレ等の何かによって主人公と関わる世界もあるようなニュアンスを感じ取れます。それによって「君たちはこれを見て感動する世界の人、俺たちはそれで儲ける世界の人」って主張がはっきりと読み取れました。
映画自体は儲けないといけないモノだとは思いますが、映画を使って自分たちのイメージアップをして儲けようとする有象無象の存在を感じ取れる稀有な映画であることは間違いありません。マジでクズです。企画者達にはケン・ローチの作品を良く見てほしいものです。
しかし、舞台となった国・地域や周辺情報を知っていると感じられる事柄なので、自分が評価する外国映画に似たような『売り出し方』に踊らされている部分があるかもなぁ。と、うすら寒くもなりました。
そして最後に、酒飲んで自転車は良くないよ。