空を見上げていちにちを始めること。日々の生活の中で美しいものを美しいと感じ、自分の心を灯すこと。なんて豊かだろう。そして平山はなぜそれらのことができるのだろう。最後まで疑問だった。何を抱えて、何を考えて生きてきたのだろう。繋がっているように見えて繋がっていない世界の中で、何を望み何を諦めてきたのだろう。抑制された喜怒哀楽は何を意味しているのだろう。ラストの平山の表情にごちゃ混ぜになった言葉にならない感情が込み上げてきて視界が滲んだ。平山のこと、やっぱり何もわからなかった。けれど様々な経験を通して人生を続けていくこと、案外悪くないのかもしれないと思えた。木漏れ日や朝焼けの見え方が変わる時が、いつかわたしにも来るのかもしれない。その時まで何とか頑張ってみよう。
追記：余韻に浸りながら映画館を出たら、映画館のスタッフの方に「上映してくださって本当にありがとうございました」と伝えている光景を目にした。この小さな温かいやりとりも含め、年始め、最高な映画体験だった。
