このレビューはネタバレを含みます
ああこういう題材を描くのってやっぱりすごく難しいな。上手くいかなさ苛立ち絶望倦怠感寂しさ全部を周りに見えないよう必死に押し殺して、それでも迷惑をかけたかもしれないと家のドアを開けた瞬間涙が溢れて止まら>>続きを読む
近しい人との別れがここ数年重なっている。何度繰り返してもあの喪失にはやっぱり慣れない。ただ、大好きだった祖父のお葬式で「思い出せば心のいちばん近いところに来てくれる」と話してくれた和尚さんの言葉にはず>>続きを読む
夜の暗闇もカラッとしたラストもかっこいい。かっこつけないかっこよさがかっこよくて、さりげなさがとてつもなく洒落てる。
わたしが普段観るような映画の雰囲気とは全く違くて、ああこういう映画を好きになる人>>続きを読む
①真っ暗闇は真っ暗闇だと思い込んでるから真っ暗闇なのかもしれない。目を凝らせば虹の端っこを見つけられるのかもしれない。絶望と不条理の連続なのにそう思わせてくれたこの映画のユーモアとやさしさに、わたしは>>続きを読む
「わかってもらおうなんて思ってないけど、見えるものだけが全てじゃないし、わたしはもっと複雑なんだよ」とちょうど思っていたときに観たのですごくよかった。モノローグもなく台詞も殆どないから、ただただ現実に>>続きを読む
画面から溢れんばかりのカラフルなかわいいを纏ってサブカルチャーのど真ん中を突き進んでいく。この不穏な空気を打ち破っていくかのように、ただの雰囲気映画と見せかけてその枠に決して留まることなく、浮遊しなが>>続きを読む
倫理観がぶっとびすぎてて、でもたまにメッセージ性のある台詞が入ってくるから、もう何を観ているのかよくわからなくなる、結局なんだったんだこれは…何を観ていたのわたしは…。完全にハマるハマらないの問題だろ>>続きを読む
自分自身の酸いも甘いも全てひっくるめた思い出をぎゅっと凝縮したかのような存在、武藤里伽子。混乱も葛藤も追体験することで、あの時代に生きていないのに、なんだか懐かしくて堪らなくなってしまった。里伽子のよ>>続きを読む
わ〜すべての軸が結婚で動いていくなんて大変な時代だこれは〜…と思いながらも、ここまで顕著じゃなくてもいまだって同じようなもんなのかもしれないとも思ったり、どんな理由であろうとなんだかんだ自分で選んだ相>>続きを読む
過去に向き合う作業は淡い期待と現実の間を行ったり来たりして、泣きながら前に進んでいく作業みたいだ。「片方だけが忘れても物事は終わらない」はたぶん本当で、片方だけが清算しても全てが清算されるとは限らない>>続きを読む
カラヴァッジョの作品でも特徴的な光と陰のコントラスト。妖艶な雰囲気。映画でもかなり意識的に映し出されていて、終始動く絵画をみているみたい。だいぶ詩的で台詞も少ないから、カラヴァッジョの壮絶な人生が頭に>>続きを読む
聖書を想起させるような要素だらけだ…と思いつつ、浅い知識しかないもんだから、なんとな〜く暗い不穏な空気に飲み込まれたままいつの間にか終わってしまった。まあそりゃそうなるだろうな〜と思いつつ、でも一貫し>>続きを読む
思わず笑っちゃうくらい歪な「好き」の集合体を俯瞰して笑いながら、自分もまた違った形の歪な「好き」を抱えていることに気づいて、どこか笑えない恋愛の妙なリアルさを感じた。わたしだって「ちゃんと好き」って結>>続きを読む
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同じ時間を繰り返しているはずなのに、いかに2分を効率よく使うかで話はどんどん進んでいくから思ったよりテンポよくて、ゆるゆるしつつもサクッとみれる感じ、平日の仕事終わりにちょうどよかったかも。みんな結構>>続きを読む
「ルーブル!フランス!」かと思っていたら、思ったより「日本!和!」だった。映画というよりもドラマシリーズの拡大版!みたいなイメージで、おもしろかったけれど、ちょっと期待しすぎてしまっていたかも。おもし>>続きを読む
端から端までどこからどこまでも可愛かったけど「んなわけないっしょ〜!」とつっこみたくなってしまうような展開に集中力を失い、そこから追い打ちをかけるように誰が誰だかわからなくなっていき…登場人物たちを愛>>続きを読む
ジャッキー、いい加減にしろよ?!暑苦しいし衝動的だしすぐ喧嘩するし、ああダサいダサすぎる…と思いつつも、あの色味と揺れるカメラワーク、突然のスローモーション、隠したコップのくだりもやっぱりだいすきで…>>続きを読む
ありふれたしあわせに気づくのって難しいけれど、でもしんどいと思ってしまうのも間違いじゃないよ。
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「自己肯定感半端ない」「でもいいなあ」の「でもいいなあ」には、仕事を辞める半年前までとバイトをするまでの半年間、始めてからいままでの全部が詰まっていたんだろうなあ。打ち明けるまでの葛藤とか勇気とか、そ>>続きを読む
常に死がまとまりつくような、でも重苦しいわけではない、ふわりとした空気感。生の延長としての死。街に溶け込む古墳、佇まいの美しさ。
フーシ、自分を大切にしてくれる人と自分自身だけを大切にできれば、それでいいんだよ。でもそれがすごく難しいんだよね。優しさって何なんだろうね。
空を見上げていちにちを始めること。日々の生活の中で美しいものを美しいと感じ、自分の心を灯すこと。なんて豊かだろう。そして平山はなぜそれらのことができるのだろう。最後まで疑問だった。何を抱えて、何を考え>>続きを読む
最初は「ホセインいけ!諦めるな!」だったのが、どんどん「ちょっと怖いよ!振り向いちゃだめだよ!これは上手くいっちゃだめだよ!」みたいな気持ちになっていく(笑)フィクションとノンフィクションの境目が曖昧>>続きを読む
懸命に生きるとか、そういうのとはなんか違う気がした。深い悲しみや絶望の淵に立たされてしまったとしても、ただただ生活を続けていく。そこにあるのは変わらない優しさや温かさで、ああやっぱりこの監督の視点が好>>続きを読む
手に入れられなかったものに思いを馳せて、根拠のない幻想にいつまでもいつまでも恋をし続けるんだよ。自分の居場所はいつまでたってもよくわからない、本当に。「椎名にとってのわたしは、わたしにとっての遠藤じゃ>>続きを読む
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通知表を顧問の先生に見せる前のふたりのやりとりがだいすきだった。足を踏み合っていたあのときがいちばん真っ直ぐに気持ちが通い合っていたのかな。先輩との飲みのあとにまなみちゃんに言われた「本気じゃないでし>>続きを読む
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途中までよかったよ、亡くなったことを伝えるメールのシーンとかすごくすきだった。なのにラストに向けてどんどん失速していって…吉尾のことよりもこの振り幅に涙が…出そうになった…どうしてこうなった…こんな体>>続きを読む
あの不安そうなまっすぐな目を見るたびにぎゅっとこころの奥が苦しくなってしまったけど、でも最後までやさしい気持ちを原動力に行動しつづけたアハマッドくん、きみがやっぱりいちばんだよ。誰かを救えるのは押し付>>続きを読む
甫木元さんが「同じ空間にあるけれど断絶されているようなものを描きたかった」というようなお話しをされていて、なんかスッとおちた。彼とわたしは歳があまり変わらなくて、それでも向き合ってきた別れの数はわたし>>続きを読む
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安否もわからない連絡手段もたまにくる手紙のみとなったら不安や寂しさで苦しいだろうが…いやいやいや…となってしまうのは現代ならではの感覚なのか?それともわたしが恋愛を美化しすぎ…?
「少なくとも不幸で>>続きを読む
時間とともにぼやけていってしまう記憶の輪郭を優しくなぞるように、"居た"ことを辿る。残されたメモリに映るのは、彼の見ていた温かい景色や、見落としがちな日常のなかの煌めき。それだけしかわからなかったけれ>>続きを読む
残されたものは乗り越えるしかない、確かに真理だ。そこを投げやりにせず丁寧に丁寧に描いていった、お洒落で大人なセラピー映画だった。フランス映画を見るたびにパリへの憧れが募っていく。この映画は街並みの写し>>続きを読む
なんて素敵な友達、兄、先生、そしてアーウィン…(泣)わたしは母の葛藤の末の"OK."に結構ジーンときてしまったよ。大人になって客観的に見れるからこそ「ぶっ飛んでんな〜笑」って思っちゃうとこもあるけど、>>続きを読む
冒頭の出会いのシーン、音楽もきまっててめちゃくちゃかっこいいじゃ〜んを最後に、物語が進めば進むほど何を観てるのかよくわからなくなり、登場人物たちの言動もどんどん理解できなくなり、いつのまにか集中力もき>>続きを読む
17世紀オランダのファッションや街並み、生活などなど、雰囲気をたのしむだけでも十分おもしろいし、物語自体もわかりやすくて重すぎず、気構えずに観れる感じがよかった。そして何と言っても一つ一つのシーンの絵>>続きを読む