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落下の解剖学のKのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

好みな内容に良い脚本で大満足だった。

弁護士のヴァンサンがサンドラに事実ではなく人にどう思われるかと言うシーンが序盤にあるがこれが凄く印象に残ってて、先入観って凄いなって思い、例えば壁の血を専門家が法廷で説明するシーンで初めの専門家は他殺であると述べれば他殺だと思い、次にこれは自殺であると述べれば自殺だと思いずっと意見に転がされてしまう。
正当性のある意見を聞くとすぐに信じてしまったり勝手に想像して決めつけてしまったりする。検事も弁護士も口が達者なのでどちらが真実である可能性が高いのか常に揺さぶれるし喧嘩のシーンでは口論は記憶として映像でみせるも手を出す重要な部分は描かれておらず音声のみで人は勝手に想像してしまうことそれが正しい答えを導く邪魔をしてること無意識にやってしまうことにハッキリ気付かされる。

この1つの事件から見えてくる夫婦関係や親子関係は凄く細かく描かれていたと思うし少なからず自分と重なる部分が少しはあったと思う。
人の気持ちは100を理解することは不可能だし、感情がある以上100を伝えることも不可能だからこそ愛があっても喧嘩するし皮肉を言ったり、そんなつもりないが皮肉に聞こえたり強がったり、嘘は言ってないけど本音じゃないみたいなこととか色んなものが交錯してて凄く共感できる。
アップを多様したり様々な視点でのカメラワークも良かった。

サンドラが息子を障害者だと思わない。本も読むしSNSも見る…ってシーンはめちゃくちゃ感動した。それにダニエルの成長にも。
ベットからでず現実を受け止めきれないダニエルは1年後、自身で裁判を傍聴し法廷が進むにつれ明らかになる出来事から蘇った記憶と夫婦関係や思想に愛情。それを聞き再び証言すると悩み結論を出し証言台に立ってる大人びた姿は成長をヒシヒシと感じさせ、証言するまで母と会わず自分で考え戦い無罪判決を下され再開した親子のハグは判決後の食事で弁護士がサンドラを抱いたアングルと同じで息子に弁護士のような頼もしさを感じた。

僕は事件の事実も無罪だったと思うそれは親父の嘔吐からアスピリンを摂取したり目の悪いダニエルとは違いスヌープだけは唯一真実を知っている気がしてラストシーンサンドラの元にスヌープが来て一緒に寝てるからもしサンドラが殺してたらスヌープは来ないだろうなってこれも想像でしかないけど、、、
それより何よりスヌープ演技バケモンすぎる。
この映画は2回くらい見た方がいい気がする。
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