このレビューはネタバレを含みます
面白かった、2時間35分あっという間だった。
裁判というものがどういうものかというかが身に染みたというか。
被告原告がそれぞれ主観も無遠慮に盛り込んで自分の到達したい結論に向かって過去の事実、周囲の人たちの感情を詳らかにしていく。時には誘導のような質問もある。
被疑者となった母親が「勝訴ってもっと何か見返りがあると思ってた」と言っていたのに全てが詰まっている気がする。ひとつの事実を追求するために、別の事実が明るみにされる。裁判なんてなければ、本人の中で、夫婦の中で完結されていたものが。無実を証明されて、日常に戻されても、その日常は裁判が起こる前とは違う。勝訴はなにも終わりじゃないんだなと思った。親子の苦しみや、葛藤はこれから始まるんだなと苦しかった。