このレビューはネタバレを含みます
ようやく観た。何を観たのだろうとずっと考えている。フランス映画にしては、割とエンターテイメントしていて、そんなにアート寄りな作品ではない。わかりやすいし、面白い。あと、ダニエル役の子役の人は本当に見事としか言えない。
で、本作。劇中でも言われるが、何が真実かはわからない。作品内では明かされない。しかし、心を決めないといけない。それはそう。真実とは何かと問われているように思うし、それに対する答えがあるというよりは、いろいろ考えさせる構造になっている。秀逸だなと思う。いかにも嫌な感じの検察官が意見を述べると、劇中ならずともそれは主観だよねと言いたくなる。しかし、ダニエルのあの証言はやはり主観なのだけど、でも何だか私はそれを良い話的に聞いてしまう。ダニエルの設定にはやや作り手のあざとさも感じるものの、見事によく出来た脚本だなあと思う。真実とは脆いものなのだなと、それを言いたいのかはわからないが、感じてしまう。