Auschwitzでのお話なんだけれどAuschwitzについてのお話ではない。
真っ暗な画面が数分続くから壊れてるのかと思ったよ。
そして印象的なサーモグラフィショット。
壁を隔てたすぐ隣で大量虐殺が行われているなんてにわかには信じ難いほど長閑な生活。
ただ明るい映像の裏に、銃声に叫び声、音だけは全部しっかり聞こえてくるんだよな。
煙と壁と川。
この純粋極まりないカメラワークがより恐怖心を煽ってくる。
人はここまで無関心になれてしまうんだなあ。
目線を向けることすらしない。
“I told her Canada.
She said, How could you go to Canada?
She thought it was the country!”
なんて恐ろしいジョークか。
キャンプで死んだ人たちの物を置いてる倉庫をCanadaって呼んでたらしい。
この人たちバグってんなあって思える環境で生きられてよかった。
あとあれだ、ハウスメイドがJewで、バスタブを灰でお掃除させられてるシーン。
この灰、自分の家族な可能性もあって。
こういうシーンが所狭しとあるから脳みそが追いつかない。
多分気づけてないだけでもっといっぱいあるんだろうなと思う。
疲れた。
過去についての映画ではないな。
誰しもが今この瞬間気付かずに加害者になっている可能性がある。