このレビューはネタバレを含みます
アフター6ジャンクションの試写にて鑑賞。
作品の質的には、オッペンハイマーよりも映画館マスト、DUNE2並に映画館マストな作品だった。
とにかく整理されたクリアな画面とまがまがしい音楽の対比が興味深い。
もちろん、ストーリーが進むにつれ、壁を一枚隔てたところで起きている惨劇を理解するのだが、これまでのどの「ホロコートもの」とも違う作品になっている。
特に本作ではナチスによる「固有の悪」ではなく、誰にでもどこにでも存在しうる悪と読み取れるようになっている。
個人的にはあまりにも整理された家や、美しい花々の咲く庭が優生思想を想起させて恐ろしかった。
また、作品の中でも明確に現代への目配せを強調しているところが素晴らしい。
それぞれが自分の関心領域から一歩踏み出すことが大切だと痛切に感じた。
