ホルヘ

仮面ライダー555(ファイズ) 20th パラダイス・リゲインドのホルヘのネタバレレビュー・内容・結末

1.5

このレビューはネタバレを含みます

(後日、少し冷静に追記)
ネット上や身近な周りはおろかキャスト・スタッフ陣までも自分との温度差がとにかくすごいので、正直、自分が楽しんで思い入れていた「555」の楽しみ方とは解釈違いなのかなと悟り、寂しい気持ちになりつつも、それでいて本放送当時に醸成された自分なりの楽しみ方を今更矯正する必要もないので、そもそもそんな本気になったら負けなんだと言い聞かせて、それでも、「正統続編ではないです」とだけ言い続けることにした。なので、平成1期お得意のパラレルなものとしてこれを好きな人がいる分にはどうぞと思うことにした。

「555」、結局物語としてはすでに終わっているので、どうしたって余計なものにしかなりえない。そんな中でどう楽しむのかというと「最後の旧型ファイズの戦いに主題歌が流れて〜」「これが観たかった!」という論調なのだが、自分にとって「555」は現象なので、今一度観たいシーンやシチュエーションなど、ない。「結局、人間とオルフェノクはどう向き合っていくのか」を突き詰めてほしかったし、地味だが、巧も海堂も、もちろん草加も木場もいなくなった世界で、人間としての真理たちがどう生きていくかを描いてほしかった。そもそも真理が人間として悩みながらオルフェノクたちと共に歩んでいくのが、青春群像劇として抜群のバランスだったので、オルフェノク化した瞬間に、評価が一気に下がった。とりあえず、続編として唯一まともな存在だったのはデルタ(というかデルタギア)のみ。

本来、地味で湿っぽいテーマの中で、粗っぽい設定に首を捻りながらもヒーローとしてのファイズやカイザの抜群のカッコよさが光っているのが「555」という作品であり、毎週わくわくしながら観ていた現象であったと思う。

何より気に食わないのが、最速上映の場に着いて、ファンたちの熱気に「お、僕も楽しまなきゃな。予想でもするか。」と10分くらいで考えたプロットのいちばんしょーもないやつがマジで採用されていた件。「スマートブレインはオルフェノクの延命技術を研究開発していて〜」「正統続編というなら、まぁ北崎と草加は複製コピー的なやつでしょ」「旧型がなんだかんだ欠陥を補ってて強い」等々(さすがに真理オルフェノク化は出てこない発想です)。
井上節全開とか言ってるから、小説版をさらに進化させたような、例えば全て狂った真理の妄想で、真理から見た美しい世界、みんなが20年後も20年後なりに戦っているという妄想ですらよかった。そういう意味では「仮面ライダー4号」の落とし所が「555」らしいとは思っている。「死にたくない」という巧の弱々しさも「みんな消えちまったら寂しい」という海堂の本音も、あれが10数年後の彼らなんだと信じている。


(鑑賞直後レビュー)
もしも納得する内容だったらどうしよう、続編なんて作りようがないのにな、という複雑な想いを胸に、20年ぶりにパラダイス・ロストを映画館で観られる喜びを楽しみに最速上映へ。テレビシリーズの終わり方をもってして続編と豪語する事前宣伝の断片から予想したプロット松竹梅の梅を何の恥ずかしげもなく並べたしょうもない作品。
最初の20分くらいは50点(原典を邪魔するでも否定するでもなく、かといって何の驚きもかっこよさもない、無の状態)だったが、真理がオルフェノク化したあたりから25点、エンドロール付近の食卓の会話で20点、最後の劇場に巻き起こる拍手で15点という感じ。ありし日の田崎監督・井上大先生に期待し、パラダイス・ロストとの二本立てという謎の自信満々さに最後の最後、公開1日前からほのかに期待してしまった自分の負け。
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