映像とテンポ、ストーリーは成功といえる出来栄え。しかしキャラの描き方がゴミクズ。
美化すんなよ。この映画、全面的にプロゲーマーの社会地位をあげようとする企業CMにしか見えなかった。ゲームオタクがリアルなレースカーを運転した時の気持ちや、ゲームとの違いなどを語るシーンがほぼない。ゲームオタクの発想や価値観、それら率直な発言に対して世間はゲームオタクを残酷なまでに貶め社会復帰できる若者のチャンスを面白半分に笑いながら叩き潰しにかかる。チームの中にはその辛すぎる境遇に挫折し引きこもる奴もいるだろう。だがなぜか全員ラクビー部員みたいに鋼のメンタルをもっている。普通以下の待遇を受けそれでもオタクゲーマーとしてその試練に打ち勝って行く、という描き方をするべき。だってゲームオタクが現実のプロドライバーになる話だよ。それがレースで優勝を狙う普通の青年の成長を描いてどうすんの？ゲームオタクのそういった側面を隠そうとしているところが逆に未だにゲームオタクは奇人変人扱いされているんだな、と実感させられた。実際に彼のように素晴らしい実績を出したとしてもだ。ゲームオタクでも現実社会でこれくらいのことができる！というための素材にせず、プロゲーマーの好感度アップの材料にしか使わなかったこのグランツーリスモ、見る価値なし。
映画版グランツーリスモA specでも作って再挑戦してください。
