エリセの新作が公開されるという映画史的な事件に立ち会えた事にまずは感動する。そしてあのエリセが晩年になった時に作る作品は、自分自身の人生をわかりやすく反映させたものであるというのも面白い。
まさに監督として作品を何十年も撮っていなかったという現状を反映させている。作品を未完のままにして、隠居状態の主人公。彼が失踪した俳優の行方を探し始める。
まさに映画に対する愛情が溢れている作品だった。随所に挟み込まれる古き良き名作達。ラストシーンはやはり感動的で、映画による光が照らすその顔を我々は奇跡のように見るしかない。