序盤の理不尽な展開と現実なのか妄想なのかわからなくなる様はコントのようでもあり面白かった。ボーがとにかく酷い目にあっていく、聖書のヨブ記を元にした、神のような存在により苦難や絶望を与えられた男の物語である。
理不尽な展開の中で、その理由は全く明らかにされない。そしてボーは旅を続けていくのだ。それこそが今作の1番のポイントで、何かにコントロールされていながらも、それがわからないままに苦難の旅を続けていくのだ。
今作ではその神のような存在が、母親となっている。自分の人生をコントロールし、常に監視し続ける存在。圧倒的な抑圧状態から、常に抱く不安感。我々の人生においても、やはり当てはまる部分のある、自分の人生に自由はあるのかという問いでもある。