じぇいらふ

瞳をとじてのじぇいらふのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
4.8
いやまだこれから撮れるだろう

ビクトル・エリセなんと31年ぶり3本目の劇場長編フィクション作品。普通こんな制作本数少なくてブランクあるととっくに埋もれるのに、そこはスペイン最高の映画作家、長編が完成したというだけでもう話題作。コメント欄も凄い蒼蒼たる名前達(ジブリの鈴木Pのコメントのいっしょに観たMさんってあの人でしょ?笑)こんな映画監督おりません。さすがです😆

して作品は、、、いやあ、いろいろああそれずるいなあというとことあるけどすごく良かったです👍👍👍👍この話はしかし、、、エリセ自身ですな。

🎞️(提供の数がたくさーん。出資者多い。いつ終わるんだ笑) 立派な一軒家(このアングル!)悲しみの王1947、、、とは? 老主人の元に来客 どうやら行方不明の娘を探して欲しいとのこと~例のごとく説明ない謎はじまり

📖映画監督ミゲルは、過去撮影中に主演俳優フリオが失踪してしまい、もうずっと撮れないでいる。テレビ局から失踪事件のインタビューを受けたことがきっかけで、その謎を探索し始めることにする~というおはなし

エリセの実際に起きたお話なんじゃあないの?と思ってしまうくらい、長年撮れないでいたエリセ自身の心境の吐露です

過去にあった人を順に訪ねて行きながら、主人公ミゲルの思い出話と、俳優フリオ探索の旅というロードムービー。そういえば、ミツバチもエルスールも、場所を移動しない話だったが、今回は積極的にあちこち移動し、ロケもふんだんしている。海辺のエリセ作品ってはじめて観る。美しい🌊

なんといっても、、、あの『ミツバチのささやき』のアナ・トレントが久々登場⁉️年齢も8歳 → 50台後半だからそりゃ年とっているんですが、お綺麗です。その瞳は、、、やっぱりアナそのもの。
「ソイ・アナ」、、、あのセリフ😭それはずるいやろ笑アナは失踪したフリオの娘役として、ここでエリセ的テーマ:父と娘のシーンが展開します。

会話シーン多めですが、やっぱりエリセはこういうなにげないシーンの撮り方が抜群に上手いんだなあと感心しました。そこら辺パンフの対談で語られてましたね(濱口、深田、三宅といういかにもエリセ好きそうな映画作家対談は必見)
、、、そうはいいつつ体力ないと部分的に意識落ち気味笑3時間は長いかなあ。だからエルスールのばっさりカットは監督不本意とはいえ正解なんですよ

ようやく行方不明のフリオが発見されたのに、、、やっぱりの記憶喪失。今度は記憶を復活させるための試行錯誤となります。はたして記憶は戻るのか?

クライマックスの緊張感はすばらしいです。最初の謎シーンに繋がる重要な展開。かなり満足しました。もう一回観たいです。
今回東洋人が出てくるのもめずらしいですね、、、て、まあ3本しかないから😅

エリセ、撮れなかったとはいっても短編作品は間に撮ってますから、観たくなりました。
もうご本人80過ぎで、自分の思いを語ってこれ遺作になるんでしょうか。。。いやこれから撮ってくださいよ!すぐにでももう1本撮って欲しいような作品です🎥🏥