あかっか

哀れなるものたちのあかっかのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
5.0
2024_016 ❸

押し並べて人は哀れで愚かだが

それ故に人である


凄い!ブッ飛んだ原作をブッ飛んだ監督が映画化したらそりゃブッ飛んだ作品になります。予習した作品によりランティモス節がしっかり馴染んだ私には冒頭から『キタキター!』で鳥肌立ちまくり。
連想ゲームを楽しむみたいに頭を使いながらの鑑賞でブドウ糖が足りなくなり失神しかけました。勿論オススメです!

以下、ネタバレ含みます。

独特なカメラワークや不穏な音楽はもはやランティモス節として確立。特に本作はモノクロからカラーになったり、不思議だけど決して可愛くない改造動物などフックの効いたビジュアルが大幅強化。そこに手練れの俳優陣、プロデュースまで買って出たノリノリのエマ・ストーンが最高に輝いてました!

ストーリーはフランケンシュタインとピノキオに現代的な価値観をブレンドしたブラック・コメディという感じ。やっぱり変だよヨルゴス・ランティモス監督!

これだけクリトリスに拘る映画もなかったのではないか?いやあるわけない!というくらい拘るランティモス(というか脚本家さんか?)。そりゃR18になりますね。でも人間なんて食べて排泄してセックスして狩り(仕事)しての繰り返し。哀れな生き物ですよ。本作はそんな哀れなる者たちへの厳しくも優しいメッセージと受け取りました。

主人公ベラの成長は正に人間の意識の成長(進化)で、それを縛ることも押さえつけることもしてはならない。長らく男性が女性を、親が子供を抑圧してきたPOOR THINGSを変えて進化しなければあなた自身を従順な羊にしちゃうよ(もしくは既に羊だよ)って諭してくれている様に思えた。

なかなかのグロ描写やセックスシーンがありますので、拒否反応が出る方も承知した上で💯付けさせて頂きます!
あかっか

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