KUJIRA

哀れなるものたちのKUJIRAのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

エマ ストーンの演技力こそ化け物。
作中のベラの如く、多種多様な役柄を貪欲に求めている様に見える。

体を上手く使えない動き。
真っ直ぐだが周りを振り回す様。
無邪気な笑顔。

唯一無二の演者。


マーク ラファロも流石。
性に溺れる者が愛に溺れる。
後半のヤケクソな演技が好き。

ウィレム デフォーの強烈な顔面が、さらに増し増しに。
深い思慮があるのか無いのか。
狂気があるのか無いのか。
何とも言い難い味わいがある。

終盤に出て来た将軍はとんでもないクズ野郎。
メイドや執事に日常的に銃を向ける最低な奴。
最後ヤギにされてたけど、心が晴れる訳でも無い。


気になるのはベラのキャラクター。
ほぼ家の中で育てられたから、外界への憧れは分かる。
無知なのも納得。
ただ、恐れが全く無いのが違和感。
人見知りとか見慣れない物への警戒心は、防衛本能として人に備わっているもの。
それが一切見られない。


こんなにセックスシーンの多い映画は初めてかも。
別に隠す事でも無いかもしれないけれど、あまりにも過剰。
セックスに尺を割き過ぎて、肝心なシーンが足りない気がする。

世の中に出て、興味の対象がセックスと本だけとは、あまりにも描写が薄っぺらく無いだろうか。

政治や文化、金や商品。
目に映るもの全てに興味津々。
本来は、そんなキャラクターな気がしてならない。

時代設定がよく分からない。
一昔前かと思っていたら、何か空飛ぶやつとか街並みに近未来っぽい建物があったり。

何とも変てこな作風だと思ったら、ヨルゴス ランティモス。
相性悪い。
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