実話をベースにした個人投資家VS巨大資本家のマネーゲーム。2021年に起きた「ゲームストップ株騒動」を題材にしており、YouTubeやSNSを駆使しながら庶民が大富豪たちと戦いを繰り広げ、快進撃を進めていくというお話。おそらく題材的に観るのにハードルを感じてしまう方もいるだろうけど、投資についての知識が無くてもちゃんと楽しめるように作られているのがポイントだろう。大富豪ほど有利に戦いを進めることが出来るシステムにカウンターパンチを喰らわせるかのように個人投資家が集まり、「売らない」という選択をすることで奴らに大打撃を与えるという流れは、この映画が"実際にあったこと"だとわかっているからこそ、余計に興奮する。絵的には動きが少なくて地味な分、編集をポップで特徴的なものにすることでテンションを維持。かかる楽曲にパンクな曲を多用することで高揚感を演出している。コロナ禍真っ只中の暗い雰囲気に包まれた状況で、ネット上の住民が協力して何かを成し遂げるって流れは、ポケモンの人気投票とか、電車男に近い独特の親近感やいたずら心を感じられてとてもいい。こういう地味目な映画はなかなかヒットしにくい運命にあるけどエンタメ作品としてシンプルに面白かったので満足まんぞく。
