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ジョー・ブラックをよろしくのaoのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

複雑なハッピーエンドだった。
「死神と令嬢の切ない恋物語」という煽り文だけ読んでの鑑賞だったので、序盤の青年が死神と思い込み、明るい死神だなぁと好感を持った矢先の唐突な死!衝撃を受けた。
身体が欲しかった死神がわざと青年を殺したのか…?と腹立たしく思いながら観ていたら、病院でおばあちゃんに「寿命は変えられない」と言っていて、なんだ、殺したわけじゃなく死んだ青年の身体を借りたのか!と思ったら、ちょっと待て!おばあちゃんに何かしている!やっぱり寿命を変えられるんじゃないか!と思ったら生きているし。なんなんだこの死神は。

なんというか、青年の身体をもらった経緯の捉え方によって話が変わってくるなぁと思う。私は青年に好感を持ったので、死神が現世に溶け込んでいくのを、特にスーザンが彼に惹かれていくのを、それは冒頭の青年に対する好意だろ!と恨めしく思いながら観ていた。
それでも話が進むにつれ、死神にも死神の事情があるんだなぁと徐々に死神にも共感していけたのに、パーティでのスーザンの言葉!結局そこに戻るのか!なんなんだこの映画は。。

死神については複雑な気持ちになったけれども、、それ以外の要所要所で好きだなぁと思える箇所があって、そこがよかった。
例えば、妹より愛されていないと思っている姉。そして娘に直接そう言われても、父親として綺麗事で片付けずに静かに受け止めたところ。その前の彼女の夫の独白も良かった。きっとお互いに欠けたところがあったから、愛し合える人を見つけられたんだなと。。
それと、ビルの最期のスピーチ。招待客のスピーチコールに長台詞を覚悟していたけども、え?もう終わり?と思うほど短い!最期なのにいいんですか?と戸惑うほどに短い!
けれどもそれがビルの人柄を表しているんだろうな。人生は深みを増せば増すほど誰かに話すべきと思えることは無くなってくるんだろうなぁと思うこの頃。危機に瀕した会社を持ちしながらも「満ち足りている」と毎朝実感できる心の豊かさ、見習いたい。


良いところはたくさんある。
だけれども、最後は青年が戻ってきて、なんだかなぁ、、身体は同じとはいえ、釈然としない結末。死神って結局何ができて何がしたかったんだろう?
ao

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