このレビューはネタバレを含みます
杉田監督の作品を観るのは『春原さんのうた』に続いて2作目で、その時は濱口監督の『偶然と想像』との二本立てだった。これは偶然だろうか。むしろ必然？
彼女たちが過去に何を経験したのか明確には描かれていないが、きっと3人とも大切なものを失ったんだろう。そんな彼女たちが他人によって支えられ、他人を介して関係が広がっていく様が心にじんわりくる。やっぱり人間は社会的なんだな。自分の経験を他人が演じるワークショップも示唆的。
やはり余白が非常に多い。『春原さんのうた』『偶然と想像』（さらに言えば小川あん出演・濱口監督作の『天国はまだ遠い』）を観ていなかったらまた感想も違っただろう。しかしこれほど余白を持たせるなら、あらすじはもっとあっさり書いた方が良くないか？一方で、鑑賞中こそ心地よいが、余白が多すぎてロジカルな思考がかなり先行してしまい、なんだかなあという感じも正直ある。私の気質によるところもあると思うが…。
メモ：https://www.youtube.com/watch?v=5sd1xDKexbE
「『カード・カウンター』みたいな映画を作りたい」杉田監督の激渋作品、観てみたいなあ。
