このレビューはネタバレを含みます
魂を揺さぶり、静かに心を抉る、間違いのない傑作。
オープニングのフォントは、「ゴダールのオマージュっぽいな」と思いつつも、上空と樹々の枝を映し出すのは、息を呑んだ。
あと、公民館でグランピング施設を創設する芸能事務所と地元民の会話のやりとりと雰囲気は『ハッピーアワー』を彷彿とさせた。今までの作品からメロドラマ要素を抜いても素晴らしいことを証明した作品だったと思う。
あと、巧が歩き続けて、途中から花をおんぶするシーンが凄かった。
湖や樹海、草原、鹿など、自然の良さが存分に引き出されていた。
不安な状況を煙、或いは靄で表現をするのは凄かった。
最後の巧の感情の崩壊は、揺さぶられた。今まで棒みたいに抑揚のない感じだったのに、アレをやられたから、本当に驚く。