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悪は存在しないのエスのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.3
美しい木漏れ日シーンから始まり
山道を歩く音、湧水
遠くには鹿の姿が見え
聞こえてくる銃声

自然豊かな、この地で暮らす
人たちにとって
何ら変わらない日常を
淡々と映し出しているようで
タイトルの意味を
どこか探ってしまう
物静かなシーンの連続

やがて、
東京の芸能事務所が
助成金目当てで
この地にグランピング場を
企てたことによって
町に暮らす人々が
どのような思いで
暮らしているか
その背景も明らかになる

衝撃的なラストすらも
"悪"と感じなかったのは
強いパワーワードとなった
タイトルが常に頭の片隅に
あったからなのか…

それとも巧が言った
「バランス」なのか…

ラストで花が
倒れていた理由は
いまだに分からず、

時折、思い出しては
考察をしている

セリフはとても少ない
語らずも伝わってくる
ものが多い作品
さすが濱口監督

どこまでも浸りたくなる世界観

舞台となったのは、
長野県の諏訪地域

主要人物の巧役を演じたのは
スタッフとして参加していた大美賀均さん
自然な演技がとても良かった
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