ローズまりぃ

ある閉ざされた雪の山荘でのローズまりぃのネタバレレビュー・内容・結末

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

675
2024 10
アマプラ限定2
沈黙のパレード挟んだため。
いや犯人は絶対分からないけどこんな都合よく終わるんだって感じ。原作知らないからあんまりよく言えないけどうーん。



本田雄一 …しちさん分けの男。
元村由梨江…前髪ある黒髪ロングの白似合う
中西貴子 …ポニテで元気そうな人
笠原温子 …前髪なしのショートの黒似合う
雨宮京介 …センター分けの茶髪
田所義雄 …髪型特徴的な人
久我和幸 …上6人のファンだと言う



すがりさんのシアター感想から自分が見返す時にこうだったなと分かるようにお借りしました。問題のようでしたらすぐ消します。

バスの中には、目隠しをされた男女6人が乗っています。降ろされた場所は、目の前に綺麗な海が広がる静かな場所でした。

6人は、劇団「水滸」の劇団員です。その独特な演出法で演劇界に名を馳せる東郷陣平が主宰し、多くの舞台俳優たちが憧れる劇団「水滸」。

華と実力を兼ね備えた劇団のトップ俳優・本多雄一。公演直前に役を奪われた経験を持つ悲運な女優・中西貴子。強烈な存在感を放つ怪優・田所義雄。女優は私の天職、お嬢様女優・元村由梨江。役のためなら何でもする勝気な女優・笠原温子。真面目で心優しいリーダー・雨宮恭介。

これからこの近くにある山荘で、次の舞台の主演をかけた最終オーディションが開催されます。

たどり着いた山荘「Shiki Villa」には、すでに先客がいました。もうひとりの最終オーディション参加者であり、唯一の部外者・久我和幸でした。

久我は、劇団「水滸」のファンであり、そのトップ俳優たちに会えたことで興奮しているようです。

オーディション初日、夕方5時。役者は揃いました。リビングに東郷からのメッセージが流れます。この山荘での4日間の合宿を通して、役者たちは与えられたシチュエーションに従い、役を演じきらなければなりません。

与えられた舞台設定は、「大雪で閉ざされた山荘で起こる連続殺人事件」。探偵となり、この謎を解いた者が主演の座を獲得できると言います。

その晩、夕食をとりながらメンバーは芝居談議に花が咲いていました。温子が久我に聞きます。「久我くんにとって芝居とは?」。

「殺し合い」と答える久我。オーディションで見た、水滸所属の女優・麻倉麻美の迫真の演技が心に残っていました。

「麻倉さんは最終に残らなかったんですか?」久我の質問に、メンバーは気まずさを残し、場はお開きとなりました。

壁際のテーブルに人数分の本が置いてあります。アガサ・クリスティ作「そして誰もいなくなった」でした。

オーディション2日目。雪山だという設定も忘れてしまうほどの良いお天気です。久我と雨宮は、雪山という設定も忘れ、ラジオ体操をしています。

「温子がいないんだけど」、貴子がリビングにやってきました。ここで、新たなメッセージが流れます。

「笠原温子は、ピアノの部屋でヘットフォンのコードで首を絞められ殺されました。さぁ犯人を考察しなさい」。突然のひとり退場に、戸惑うメンバーたち。温子は始めから退場する設定だったのか。それとも、突然脱落させられたのか。

田所は貴子を疑います。「昨夜も2人喧嘩してたよな」。貴子は、以前、公演直前に役を温子に奪われたことを根に持っていました。

そして昨夜、温子が舞台監督の東郷と体の関係を持ち、役を奪ったことを知ります。ライバルであり友達だと思っていたのに。

今回の件も何も知らされていません。もう温子のことを信じられない。貴子は、ショックが大きいようです。

互いに疑心暗鬼になっていく俳優たち。久我は、本多にアリバイ作りの協力を頼みます。一晩、手をしばり一緒に寝ようというのです。しぶしぶ受け入れる本多。

オーディション3日目。今度は、由梨江の姿がありません。「元村由梨江は部屋で前頭部を打撃され撲殺されました。犯人の動機は?考えろ。そして競い合え」。

皆が由梨江の部屋に入ってみると、壁には血しぶきがあります。よく見ると、演劇で使用する血糊のようです。

貴子が、ここぞとばかり田所を責めます。由梨江は田所の執着に怯えていました。昨夜、雨宮と由梨江が付き合っていると誤解した田所が、由梨江の部屋に押しかけていることも知っています。「俺はやっていない」。

皆がリビングに戻るとそこには、凶器と思われる血の付いた花瓶が置いてありました。玄関にあったはずの花瓶。そこに付着した血は本物でした。

久我は、持参していたビデオカメラでリビングの様子を録画していました。そこに映っていたのは、黒いフードをかぶった男が、山荘の裏口へと由梨江らしき死体を運び出す映像でした。

裏口を出た所には深い井戸があります。「きゃー」。その井戸を塞ぐ蓋に、温子の着ていたセーターの毛が付着していました。

これは芝居と見せかけた本当の殺人事件なのか?それともすべて芝居の一環なのか?

「俺は降りる」。リーダーの雨宮は、荷物をまとめ玄関へと向かいます。「身の危険を感じたのね」。貴子は何かを察したようです。

「殺されたのは、あの日、雅美がオーディションに落ちたのを慰めに行った人ばかりよ。そしてその日、雅美は下半身不随の大事故に遭った」。


貴子の言葉に青ざめる雨宮。「雅美があんなことになったのに、また舞台に立とうとするなんて、俺たちは狂っていた」。そんな雨宮を本多が引き留めます。「俺には役者しかないんだ」。


そして迎えた最終日。リビングに集まったのは、久我と貴子、田所、本多の4人でした。「雨宮恭介は、リビングにて首を絞められ死亡。すべての謎が解けた者は、明日稽古場へ来るように」。やはり、これはすべて東郷主宰のオーディションに過ぎなかったのか。

帰ろうとする本多を、久我が引き留めます。「待って下さい、本多さん。犯人はあなたですね」。ビデオカメラには、昨夜、本多以外の3人が一緒の部屋で寝ている証拠映像が写っていました。

静かに語り出す本多。始まりは、久我も参加していた「水滸」のオーディション。雅美にとってそれは、すべてを懸けたオーディションでした。

しかし、結果は落選。努力が報われないこの世界に嫌気がさしていました。自暴自棄になり稽古を休む雅美のもとを、雨宮と温子、由梨江の3人が訪ねてきました。


3人はどこか旅行気分ではしゃいでいます。上辺だけの慰めに気付いた雅美は怒り、温子と取っ組み合いの喧嘩になります。止めに入った雨宮は突き飛ばされます。


帰りの車中、雅子の態度に怒りがおさまらない温子は、雅美に嘘の電話をかけます。「雅美、助けて、雨宮が事故で…」。それは、皮肉にも迫真の演技でした。

慌てて家を飛び出す雅美。そこに、車が突っ込んできます。本当に事故に遭ったのは雅美の方でした。

雅美の芝居に対する覚悟をよく知っていた本多は、「私の人生、終わっちゃった」と病室で塞ぎ込む雅美に、ある約束をします。「俺が雅美の足になる。何でも言ってくれ」。

そして、盗聴器と監視カメラが仕掛けられたこの山荘の隠し部屋で、ひっそりとその様子を見守っていた人物。雅美が姿を現します。「おかげで上手くいったわ」。驚く、貴子と田所。


久我は、俳優として尊敬する本多を信じていました。「本多さんと僕は、由梨江さんが殺害された夜、一緒にいました。本多さんに由梨江さんは殺せません。共犯者がいるはずです。由梨江さんを殺す演技をしたのは雨宮さんですね」。

雅美は、久我が撮影していたビデオカメラの存在を知りません。「どうゆうことなの?」。そこに、死んだはずの温子、由梨江、雨宮の3人が姿を現します。

久我の推理が進みます。「この山荘で起きた事件は、三重構造になっているのです。東郷先生によるオーディション。それにかこつけ、雅美さんが実行しようとした殺人計画。そして、雅美さんの計画をすべて芝居でやり抜こうとした本多さんの偽造です」。

雅美に怒りで罪を犯して欲しくなかった本多は、原因を作った温子、由梨江、雨宮に「死ぬ気で死ぬ演技をしろ」とシナリオを渡します。


罪の意識に苛まれていた3人は協力し、雅美にむけて本当に殺された演技をしていました。「雅美、許されることじゃないけど、本当にごめんなさい」。それは心からの謝罪でした。

「ふざけんな!」。雅美はナイフを取り出し自らに向けます。「頼む、生きてくれ」。本多が必死に止めます。

久我がしゃべり出します。「水滸のオーディション、僕も参加していました。劇団も辞め人生に悩んでいた頃、雅美さんの演技を見て、頑張ろうと思えました。ありがとう」。

久我の想いに、雅美の心が動きます。「最悪ね。もう一度、私にしかできない芝居ができるかしら」。

田所「最悪だと言えるうちは、まだ最悪じゃない」。
雅美「ここでシェイクスピアかよ」。
皆、口々に言い合います。「一緒に生きよう」。
本多「久我、芝居は殺し合いなんかじゃない。生かし合いだ」。

満席の会場から、観客たちの盛大な拍手が聞こえてきます。役者は一列に並びお辞儀をしました。その真ん中には、車イスの雅美の姿があります。

舞台袖にはける面々。互いに演技を称え合います。泣きじゃくる久我。「さぁ、カーテンコールだ」。本多が声をかけます。

本日の公演、演目:「ある閉ざされた雪の山荘で」。作:久我和幸。
ローズまりぃ

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