イチロヲ

片目のジャックのイチロヲのレビュー・感想・評価

片目のジャック(1960年製作の映画)
3.5
刑務所からの脱獄に成功した強盗犯の青年(マーロン・ブランド)が、かつて自分を裏切った元相棒の保安官(カール・マルデン)と対峙する。マーロン・ブランドが主演と監督を兼任している、西部劇映画。

いわゆるひとつの「ならず者の生態観察ムービー」。フツーの生活を送ることができない主人公が、アウトローからの脱出不能状態に見舞われるパターン。復讐と愛情の二者択一、または保安官の偽善ぶりを、トランプの「片目のジャック」と重ね合わせている。

人に言葉を投げかけても、不審に思われてしまう。女性と恋愛しようとしても、現地妻(=いざというときの逃げ場所)を拵えるための手管が働いてしまう。そんな主人公が、自分の居場所を確かめながら、ジタバタを繰り広げていく。

恋愛劇では、保安官が養っている義理のメキシカン娘が相手役で登場。倍賞千恵子似の可憐な顔立ちと美しい褐色の肌、さらに小柄でボインちゃんという、純度100%のヒロイン像を演じている。ならず者のプライドに翻弄される女性視点からの鑑賞がオススメ。
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