とり

16ブロックのとりのレビュー・感想・評価

16ブロック(2006年製作の映画)
4.1
普段ならネット予約するのでタイトルの読み方は問題ではないんですが、今回劇場で直接買ったのでちょっと恥ずかしかった~。
カウンターで普通に「じゅうろくぶろっく!」と告げたらお姉さんから「シックスティーンブロックですね」と淡々と返されてしまった。
どうせなら「ぶるーすいちまい」とか言ってやれば良かった。「はげいちまい」にしたら完全に嫌な客ですね。
やっぱり劇場で観て良かった!期待してたような派手なアクションは少なめだったけど、全体的によくできてるっていうか面白かった。
演出のテンポもよく、16ブロック先の裁判所までのタイムリミットと実際の上映時間がほぼ同じなので、時間の流れもつかみやすい。そのわりに迫り来る時間の緊迫感は薄かったけど。
それといい意味で小気味よく裏切られるというか、全体的な作りはオーソドックスなんだけど、細かいネタふりが丁寧でシャレがきいてるんです。
そのおかげで一歩先のプチ種明かしが結構楽しい。
例えば突然の銃声→ああきっと撃たれたのはカレだ!→違った・・・マジですかー→かっくい~!
とか、冷静に考えればもっともだなってところでも見せ方が上手くて気分爽快。
最終的なドンデン返しにあたるエピソードなんかもピリっとしてて大味なアクション映画に一つ隠し味が追加されてるようで得した気分です。
最後の最後にまさかこのアクション映画でじんわりしてしまうとはっていう驚きもあった。
全体的に中年の悲しさっていうか哀愁漂ういい映画でした。
おやじもまだまだ頑張れる、でも背中はけっこう寂しい、みたいな。
ブルース・ウィリスの冴えない演技が見事にはまってたのが今回一番の収穫。
大事な証人を連れて逃げ惑う姿は子連れ狼そのもの。証人役のモス・デフも良かった。銀河ヒッチハイクガイドでもいい味出しまくってたけど、演技が上手いな~。目で演じてましたね。
デヴィッド・モースはまたか…っていう毎度毎度似たような役ばっかり。
生真面目な顔つきにがっちり体型だとどうしてもそうなってしまうのかな。主役になるほどの華はないけど手堅く脇をかためる人材としては有効そう。
観終わった後なぁーんにも残らない大味アクションだと決め付けてたのがウソのように、いい気分になれる映画でした。エンドロールの能天気すぎる曲にちょっと違和感を覚えたけど。
ところで・・・地下鉄にいた優しいガードマンがモーガン・フリーマンに見えたのは気のせいかなぁ?気のせいと思いたいけど、あのおじさんつまらんチョイ役でもホイホイ出そうやからなぁ。
MOVIX亀有
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