回想シーンでご飯3杯いける

クイズ・レディーの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

クイズ・レディー(2023年製作の映画)
3.2
アメリカで活躍するアジア系女優2人がW主演で登場する、日本劇場未公開のコメディ映画。

事務職の冴えない仕事から帰宅してクイズ番組を観るのが唯一の楽しみになっている妹(オークワフィナ)の家に、人の迷惑を気にしない自由きままな姉(サンドラ・オー)が転がり込んでくる。テレビから流れるクイズの問題に全問正解する妹の姿に驚いた姉が思いついた秘策とは?

テレビから流れるクイズ番組は、日本でも20~30年前に良く見かけた素人参加型。特に正解率が高い回答者は、素人でありながら注目を浴びる事もあったし、その辺りは本作でも踏襲されている。アメリカでは今もこの手の番組が存在するのか、妹の姿はSNSを通じて動画配信され、一躍有名人になってしまう。

ストーリーの背景にあるのは、アジア系アメリカン人が感じる日常的なストレス。そこを真面目なメッセージで訴えるのではなく、徹底的にコメディとして仕上げている。いや、それにしても2人の描き方、特に姉のブスメイクが凄くて、アメリカに於けるアジア系差別の文脈で見て大丈夫なのか心配になるレベル。ジョークもきつめなので、必ずしも日本人が観て笑えるとは限らない事を予めお伝えしておきたい。

しかし、終盤には伏線の回収もあって、なんだかんだで温かな感動に包まれるという、侮れない作品である。