アトミ

Now and Then:ザ・ラスト・ビートルズ・ソングのアトミのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

94年から始まったアンソロジー・プロジェクトの目玉(新曲。ビートルズマニアのジェフ・リンプロデュース)として「3」に収録される予定だったがボツとなる(ジョージ・マーティンのインストが代わりに収録)。

その時発表されるはずだった音源には2023年に発売されたAメロとBメロの間にもう1つのパートがあった(いわゆる旧Bメロ。ジョンお得意のハピネス・イズ・ア・ウォームガンてきなメドレー的な楽曲だった)。
この旧Bメロのデモ過ぎるボーカルの歌い方と未完成な歌詞。そして雑音(ボーカル音を上げるとピアノ音がデカくなるためボーカルが抑えられバッキングにボーカルが埋もれてる。当時はボーカルとピアノを分離できる技術無し。が、フリー・アズ・ア・バードとリアル・ラブに関してはギリ許せる?くらいのデモピアノ音だったから発表された)。
コレがAI技術により、分離され約30年越しに完成に至る。

旧Bメロが「消えた」事による違和感。
と、個人的にはジェフ・リンプロデュース版(ちょっとELO的ではあるが)のが馴染んでたので少し残念な印象を受けた。
が、よく聴くと旧Bメロがソロパートにちゃんと生かされているのに気づき、ポールのジョンへの愛を感じる事ができ感動。

ラストの終わり方も凄くビートルズ(というかポールがビートルズを意識した感強)らしくて「締めくくり」にふさわし過ぎるのとその哀愁。
なんか感慨深い作品となり、そしてそもそものビートルズの次元の高さを改めて思い知ることにもなったと感じた(コレはファンだからかな?笑)。

てか新Bメロ(旧Cメロ。実際少しコード進行をカスタマイズ)の転調があんなにしっくり行くとは。
シンプルになったのに奥行を感じる。
これがポールのヤバさなんだろう。
アトミ

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