幽斎

ワイルド・インフルエンサーの幽斎のレビュー・感想・評価

3.8
C級スリラーをレビューする、Scavenger第63界。原題「Clickbait」ナルホド、此の監督はブレイクするかもしれん。AmazonPrimeで299円鑑賞。

本作は2019年に劇場公開されたインディーズ映画。配給が0:10で9回裏2アウトランナー無しで負けてる野球並みの絶望をお届けする「itn distribution」忍耐の弱い方は直ぐに停止ボタンを押した方が幸せ。Filmarksあらすじを見て「また此のネタかよ」ボヤいた貴方、正にその通りですが、監督はインディーズの登竜門の映画賞を何本も獲得してる。

原題「Clickbait」クリックベイト、ネットの虚偽や誇大広告のテンプレで、興味を引くサムネでリンクを踏ませ、欺瞞なコンテンツを見せたりする。アダルト無修正動画や必ず儲かる話等、日本は「釣りタイトル」英語のbaitは「餌」と言う意味。本作を一行で説明すれば「動画配信者がストーカーに襲われる映画」です。

本作を一言で言えば「承認欲求」ホラーとコメディのバランスも良く、レビュー済「ハッピー・デス・デイ」劣化版。インフルエンサーが再生回数を稼ぐ為に、悪事に手を出すと言うマンネリにも程が有るプロット。同じスカベンジャーのレビュー済「デス NS/インフルエンサー監禁事件」や「スプリー」「#フォロー・ミー」。同じ観るならレビュー済Andrew Garfield主演「メインストリーム」の方が2.5倍面白い。

日本も私人逮捕ユーチューバーが逮捕されたが、最初はお気楽なノリでも最後は怖いと言う、承認欲求を満たす為に過激な事をコンテンツ化する配信者。ソレを間近で見て抑圧された欲望が肥大化する友人。ラストで主従逆転する構図も皮肉が効いてる。ベイリーは言ってしまえば最後のエマを映し出す為だけのコンテンツなのだ。日本の諺「正直者が馬鹿を見る」だが、視聴者は「なにマジに為ってんの?」程度の感覚だろう。

FilmarksでもFollowersとFollowingの数が滅茶苦茶な人が居ますね、絶対にタイムラインは追えないのに、数合わせで踏んでくる人。本作も数字の怖さを描いてる。中学生の成りたい職業ランキングからYoutuberが消えましたが、コンテンツの消費が加速度的に速いので、結局はダークウェブの様な非合法コンテンツに手を染めてしまう。人の命すら娯楽だと考えるお気楽さは、ホラーとしての不気味さに変化する演出も功を奏してる。80分と尺も適当でホラー、コメディの他に、10円硬貨位の重さのスリラー仕掛けも有るので、アホな台詞にマジに為ってイライラしなければ(笑)、意外と楽しめるかも。

監督(2人)がインフルエンサーが大嫌いなのがとても良く分かるので、暇潰しに為るかも。
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