"悪い夢を見ていたの…"
アメリカン・サイコスリラーの金字塔
シャム双生児の姉妹が悪夢的展開に落ちてゆくゴシックホラーかと思いきや、女性ライターが事件を追ってゆく展開が意外で期待以上の面白さ。
全てのシーンに、映像の魔術師、ブライアン・デ・パルマの美学が宿る。
血のような紅から、ワインレッド、ダスティローズを経てパステルピンクのシルクドレスへ、グラデーションが美しい
グレースが催眠療法中に見た、双子の哀しき過去が、恥美なフィルム・ノワールで浮き上がる。
十字架のかかったコンクリートの監視部屋で
美しき双子、奇妙な子供たち、傀儡のシスター、悍ましき外科医
二つの躰に一つの魂
2人はいつも一緒にいなければいけなかった。1人は美しく、1人は醜い双子が、切断により入れ替わり1人になる"半神"という漫画を思い出した。
しかし本当に恐ろしいのはその後。
自立したキャリアウーマンだったグレースが、少女のような白いコットンワンピースに身を包み、人形に囲まれた部屋で、同じことを繰り返す…
あのラストシーンもとても好き。
デ・パルマ映画の常連にして、怪演を見せたウィリアム・フィンレイは、アメリカン・ホラー・ストーリーの"アサイラム"に登場するドクタースレッドソンのモデルなのでは無いかと思う。
AHSのアサイラム、フリークスの元になったような映画。
アサイラムでいつも流れている曲の名前、"ドミニク"…これは…
〜衣装語り〜
ダニエル(ドミニク)
①黒い太ブチのサングラス＋白い襟付きシャツ＋黒ネクタイ＋襟、裾に赤いラインが入ったアシンメトリージャケット
②白いシアーシャツ＋パステルピンクのシルクネクタイ＋スーツセットアップ
③パステルピンクのサテンカシュクールワンピース(バルーンスリーブ)＋ゴールドのロザリオ
④キャミソールランジェリー(トップス、裾が総レース、ウエストにリボン)
⑤ダスティローズピンクのシルクワンピース
⑥白いレース襟の黒ワンピース
