冒頭に映し出される、フィルムに閉じ込められたイェナチュの遺骨
まるで本当に見たかのように、迫真の語り口の博士に引き込まれる。
すべてを望んでいるのに、何も望まない。
支配するが、征服されない。
は、そ>>続きを読む
彼らはかつて、神であった
ソクーロフによって描かれる"禁忌"。
人を超えた存在として崇められ、孤独を極める姿は、マリー・アントワネットや愛新覚羅溥儀の人生とも重なる。
下臣や軍人達が汗を垂らしている>>続きを読む
マヤラの軽やかで可憐な立ち振る舞いは、まさにキトリ。
とにかく軽やかでふわっふわのグラン・パッセにうっとり。夢心地
情熱的でセクシーというよりは、純真で、あどけないキトリだと思う。
最後のPDDのホー>>続きを読む
こんなにも、甘美で刹那的な踊り…
リフトと重力、惰力を感じる(落ちる)動きを組み合わせた複雑な振りが、風に靡く古布のよう。
深く不安定な感情に引き摺り込み、マノンと共に沼地に沈めるようなバレエと、メロ>>続きを読む
強烈なカラーイメージと、アルファベット、動物のイメージで展開される奇妙な"記録"
粉々のガラスと死んだ白鳥、アバンギャルドな火花と、サイケデリックなメイクの女性が2人。新聞記事にグラデーションするオー>>続きを読む
とびきり上品に、そして下品に
ピーター・グリーナウェイの奇想天外、豪奢絢爛、かつクラシックな世界に迷い込む極上体験。
貴族たちの本心を、鍵穴からのぞいているようなフェティッシュな感覚に陥る。
下世話>>続きを読む
美しく、繊細な感性と情動的なメロディで紡がれる、世界の果て、ニュージーランドのジャングルのお伽話
なんて儚く感傷的な人なんだろう
エイダの細い指、しなやかな腕
コツコツとなる鍵盤と、ログハウスに降り>>続きを読む
オレンジ色に輝く砂埃、日に透ける赤髪
2人が目指すのは、女の楽園か、それとも地獄の果てか。
何もかも、キラキラでワイルドで、でもふとした瞬間、タフそうなルイーズに宿る危うさに心が揺れる。
18で結>>続きを読む
"悪い夢を見ていたの…"
アメリカン・サイコスリラーの金字塔
シャム双生児の姉妹が悪夢的展開に落ちてゆくゴシックホラーかと思いきや、女性ライターが事件を追ってゆく展開が意外で期待以上の面白さ。
全>>続きを読む
淡く静かな恋愛章の中のどろっとした欲望
あの感じ、忘れられない
儚く繊細に、サディスティックに紡がれる、少女と翻訳家のインモラルな純愛
すごく好きだけど、切なさや悲しさじゃない
睦夏の肌の感触と翻訳>>続きを読む
大きな瞳と、それを縁取る長いまつ毛
その目に映るものよりも、エリセは閉じた瞼の裏に浮かぶものを大切にしているのだと思う。
あの少女の眼差しを通して、何かを見ることはもうできない。
"エコール“のビア>>続きを読む
フランスの田舎町の甘美なノスタルジーに呑まれる。
燻んだ街並みをバックにパステルピンクのタイトルロゴが印象的
思春期に入りたての男の子の内面が、潔くストレートに言語化されている。
年上の友達やませた>>続きを読む
光と影の濃淡が恍惚とするほど美しいフィルム・ノワール。
窃視的なカットに滲む墨をぼかしたような灰色、一粒の涙に宿るダイヤモンドのような煌めき
ぼんやりとした夢うつつを白昼夢というのなら、この映画は黒>>続きを読む
サラサーテのツィゴイネルワイゼンの鬱屈とした哀愁
クレジットに打楽器と書いてあったけど、本当にパーカッションがカッコ良い。
海辺の雨林の小道に合う、荒々しく、幻想的な音楽。
血を吸ったかに
美しい>>続きを読む
常に彼方と此方、あの世とこの世を彷徨っているような、美しくも儚く不安げな世界。
光に揺れる陽炎は、背中合わせに座る春弧と品子は、生者と死者の溶け合う瞬間なのかもしれない。
むしった花を散らし、鬼灯を>>続きを読む
豪華絢爛なゴシック・ロマンス
ゴールドの華やかさと、完璧なグラン・パ・ド・ドゥ
第二次世界大戦後、戦禍の長い眠りからの目覚めにぴったりな作品。
ロイヤルらしく、カラフルな衣装、美術がクラシック作品をフ>>続きを読む
世にも不可思議、愛とユーモアに満ち溢れた、マシュー・ボーンの世界
コンテンポラリーと古典の融合が、斬新で楽しい。男性ダンサーや、悪役の活躍も多く見られる。個人的にはプロローグのカラボスの手下と、顔の>>続きを読む
ジョージ・ハリソンのシタールのメロディと、サイケデリックな70sカラーで頭がおかしくなりそう(褒めている)
ミジンコやアメーバなどの微生物に始まり、人間の狂気的な愛と幻覚を通して、最後は宇宙に到達す>>続きを読む
天と人と、神との交信
天よ、地よ、月よ、太陽よ
見ている間、ずっと鳥肌が止まらなかった
曽祖父さん、満州はどんな場所でしたか
美しい唄や祈りを聞きましたか
シャーマンの語源でもあるサマン(薩満)>>続きを読む
ついにラストエンペラーを超えた
今後見る映画はこの映画を越えるかどうかだと思う。
かつての自分と重ね育て来た小四が、欲望と自我に染まって行く様は、醜悪ながらも艶やかで、彼もまた"女"の顔を持っている>>続きを読む
舞台の上で繰り広げられる小さな群像劇かと思いきや、舞台裏から劇場の外に飛び出し、フィナーレで起こるドタバタ劇へと引き込まれる。
本番で劇の全体像が見え、そこからクライマックスに向かってゆく構図が華やか>>続きを読む
男と女をBGMに演出された、2人の女の、ストリップの艶やかさと色気。
男性らしさの究極(=男の夢)は女性らしさという、彼の哲学
真っ赤なリップを塗り、とんがりブラをつけたテディベア。
パンクにしてク>>続きを読む
綿矢りさの、少し純文学らしさのある世界観。
良佳には性愛を穢らわしいと思う感覚があり、妄想の中だけでイチを愛でる自分の恋愛を高貴なものに昇華している。
oliveのエッセイストが言っていたみたいに、>>続きを読む
ビタミンカラーとオタク部屋
インディアン・ポップスのオープニング
コンビニのシーンはお下品なアメリと言った感じ。
定職につき、大人っぽい格好になっていくレベッカ。
イーニドは取り残されたような気分に>>続きを読む
十二単を着た美しい奇人
風に靡く長い黒髪と、ドレスの裾を引き摺りながら歩くその姿に、なぜか平安貴族の様な風格を感じた。
私が迷い込んだのは、魔宮というワンダーランド。
大事な娘から愛人へ、娼婦を経て>>続きを読む
不穏なイントロと、あの赤いタイトルロゴのインパクト
B.Bのしなやかなヌードシーンに始まり、明転した瞬間、眩しいブロンドが目に入る。甘ったるい声で問う"わたしのくるぶしが好き?"
バルドーのキャット>>続きを読む