ユーライ

水深ゼロメートルからのユーライのレビュー・感想・評価

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)
3.0
仮にも連休最終日なのに貸し切り状態。やはり有名な役者が出ていないと厳しいのか。「なんか百合っぽいな」程度の安直な理由で観たが、期待に応えてはくれなかった。まず企画に問題がある。演劇なら抽象で押し通せるが、映画は具体で迫らなければならない。夏休みの炎天下プール掃除しているにも関わらず、汗水一つ垂らさない登場人物達にどう感情移入せよと言うのか。何もこれは私が日頃から「JKの汗ペロペロしたいハァハァ」と考えている変態だからでは一切なく、設定上絶対に必要な描写でしょ。生足JKがキャッキャウフフの快い絵面だけ映してりゃいいだろが通るのは深夜アニメだけだって。ワン・シチュエーションで引っ張るだけの推進力はなく、「青春の虚実を剥ぐ」アプローチにしても我々はとっくに『桐島』を通過してしまっている。いくら何でもいい子ちゃんで表面的過ぎるだろ。女子に男の踊り方を強制させる村祭りなんて滅ぼせよ。授業を欠席したくらいで掃除やらせる学校もアウト。今すぐ火を点けるべきだ。そのくらいの攻撃性が欲しい。至らないのは高校演劇の限界なのか。でも『アルプススタンド』はもうちょいマシだったぜ。実績もあるヴェテランに一任したんだろうけど、絶対若い同性の監督に撮らせるべきだったと思う。『カラオケ行こ!』では抽象性の高い原作から見事実写映画として通用する具体に迫っていた山下敦弘。企画が悪いんですよ。
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