HAYATO

ポップスが最高に輝いた夜のHAYATOのレビュー・感想・評価

ポップスが最高に輝いた夜(2024年製作の映画)
4.3
2024年45本目
Only on Netflix
超有名なチャリティソング“We Are The World”の誕生秘話に迫るドキュメンタリー
計画の初期段階から、マイケル・ジャクソンとライオネル・リッチーの楽曲制作の様子、A&Mスタジオでのレコーディングの舞台裏まで、未公開映像と共に振り返る濃密な97分間。
多くのミュージシャンに加え、エンジニアやカメラマンなど、この曲に関わった様々な人々へのインタビューが収録されている。
同世代で見ている人はあんまいなそうだけど、映画繋がりで一昔前の洋楽を聞くのが好きな自分にとっては本当にたまらない要素が満載。
個性と才能の塊みたいなスーパースター集団をまとめ上げる苦労がものすごく伝わってきて、プロデューサーのクインシー・ジョーンズの見事な手腕が際立っている。
ボブ・ディランが居心地悪そうだったり、スティービー・ワンダーが無茶な提案をしたり、アル・ジャロウが酔っ払っていたり、ライオネル・リッチーがみんなを必死にまとめようとしていたりと、とにかくワチャワチャしている様子はまるで小学校の学級をのぞいているかのようで、大スターもまた人間なんだなと微笑ましく思った。
吹き出しちゃうような面白シーンがいくつもあり、マイケル・ジャクソンの家が動物だらけでライオネル・リッチーが楽曲制作どころじゃなくなっちゃったエピソードや、謎のノイズの原因が自分のアクセサリーだったシンディ・ローパー、ディオンヌ・ワーウィックのマイクトラブルは幽霊のせいだ!ゴースト・バスターズに電話しろ!のところが個人的にツボだった。
「伝説の夜」が作り上げた“We Are The World”は、まさしく「魂の結晶」であり、40年経った今なお歌い継がれ、「世界中の人々の連帯」というメッセージの込められたこの名曲が成し遂げたこと、成し遂げていることに、改めて畏敬の念を抱く。
終盤、父の言葉と共に、涙を浮かべながらかつての盟友を偲ぶライオネル・リッチーの姿にグッときて、仲間や家族と過ごす時間をより一層大切にしようと強く思った。
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