余白の多い映画だったから、
その間に色々なことを考えた。
当時の台北は日本で言うとどこだろうとか、
夜遊びして帰ってきたとき急に虚無を感じるよなーとか、
旅行先の雪国って日常を忘れさせるなあとか。
散文的に描写される作中の出来事は、起承転結が曖昧で全てを語らない。
映し出される光景はヴィッキーの思い出だけど、
洋服の皺さえ見えるほどに近い距離感の映像は、それが自分の記憶のようにも感じさせられる。
また10年後にこの映画のことを思い出したとき、それが彼女に起きた出来事か、自分に起きたことなのかはっきりしないかも知れない。
2001年に作られたのに、2001年のことを思い出すというストーリーテリングのこの映画は、見た瞬間からすでにノスタルジックだ。