taatさんの映画レビュー・感想・評価

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ミッシング(2024年製作の映画)

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missing =欠けている, 見つからない

失った何かを、
どうしても取り戻せないとき。

人はその大きな空洞にどんなふうに向き合ったらいいのだろう。

穴の大きさを調べたり、
似たような形のも
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

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人間の社会や生態系といった、
「構造」についての話だと思う。

上流から下流。
水の流れのように「上」で起こったものは「下」へ影響していく。

それは変えようがない自然の摂理だ。

そのような摂理を題
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不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)

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つづく、ということなので咀嚼できた部分だけ。

=

まず、ダンスのシーンが圧巻だった。

本作は、過去作の『親密さ』や、『何食わぬ顔』のように「一つの作品(芸術)」と「それを作る人」という二つのパー
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天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

二通りの解釈が同居する。

①三月は雄三の妄想

三月の死に対して、二人の人物がどのようにそれを受け入れていくかという物語。

二人とは、三月の姉と、三月のことが好きだった同級生。

共通点は、二人と
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海がきこえる(1993年製作の映画)

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「映画っていうのは所詮、音と映像が流れているだけ。

だけど、時々そこに、存在しないはずの匂いとか空気とか、
温度みたいなものを感じることがある。

ラストシーン。
吉祥寺駅のホームで、どこか遠くに、
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何食わぬ顔(2003年製作の映画)

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競馬というモチーフがすごく印象的。

今まであまり映画作品に登場してこなかったのが不思議なくらいだ。

馬がただ走って、回って、元の位置に戻ってくる。

観客は、生い立ちとか、血とか、その日の様子とか
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PASSION(2008年製作の映画)

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会話とか、仕草とか、意見とか、
本音とか、嘘とか。

映画の中で語られている隅々を解剖しようとすると、
自分の腹の中にもメスを入れられているような気持ちになる。

長く付き合っている友達同士や恋人にだ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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まず、作中で描かれているものと、描かれていないもの、その情報の取捨選択について大きな争点が生まれていることについて考える。

具体的には原子爆弾が投下された被災地の描写についてだが、本作をオッペンハイ
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CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

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「誰がLSDを混ぜたのか」ドラッグと芸術の関係性について
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あえて、誰がLSDを混ぜたのかという問いについて考察したい。

おそらく作品の構
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SOMEWHERE(2010年製作の映画)

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感情表現のセリフが少なく、とことん映像やモチーフでキャラクターの心情を見せる。

視聴者としては、淡々と進む日々の描写にどこか空虚さを感じる。

一方、娘とプールで遊ぶ場面は本当に綺麗で、主人公がどん
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ミスト(2007年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

普段あまり点数を付けないが、確固たる意志で1.0を送りたい。

ラストが衝撃的なのは分かるけど、正直全体的にクオリティが低い。

テーマ性に関しても、人間の集団心理の恐ろしさを描きたいとしたら、200
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

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「ドゥニ・ヴィルヌーヴが魅せる、”名作の気配”。」

救世主の予言、ポールの未来視、
そして、戦争の足音と、支配者としての破滅の予感__。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ版DUNEが魅力的な要因の一つは、そう
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

原作未読。事前情報ほぼ無しで鑑賞。

まだ前章ということで、ディザスター×女子高生の日常ものという感じで、面白かった。

無害なUFOの滞在による人類内部の葛藤という設定は、どこかで見たことがある気が
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ミレニアム・マンボ 4Kレストア版(2001年製作の映画)

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余白の多い映画だったから、
その間に色々なことを考えた。

当時の台北は日本で言うとどこだろうとか、
夜遊びして帰ってきたとき急に虚無を感じるよなーとか、
旅行先の雪国って日常を忘れさせるなあとか。
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