マーク太郎

正義の行方のマーク太郎のレビュー・感想・評価

正義の行方(2024年製作の映画)
4.0
2時間半という長尺ながら、飽きることなく最後まで引っ張られた。
警察関係者、元被告の妻、弁護団、新聞社の証言が生々しい。もちろん検察とか科警研とか被害者遺族とか足りないピースはあるにしても、この飯塚事件捜査の胡散臭さは十分伝わる。

特に西日本新聞社パートに注目。地元紙として他社に抜かれるわけにはいかない当時の担当記者の気負いとその後に検証取材することになる記者の冷静な目線が印象的だ

あと、狙撃事件で有名な国松元長官の名前が思わぬところで登場して驚いた。

司法制度の枠組みでは死刑執行により、決着のついている飯塚事件だが、真相は藪の中。映画でもそのあたり強引に結論を押し付けてはいない。
しかし、「疑わしきは被告人の利益に」という原則が守られていたかどうかは疑問に思う。