PERSPECTIVE

ラジオ下神白―あのとき あのまちの音楽から いまここへのPERSPECTIVEのレビュー・感想・評価

5.0
その人の好きな歌から、送ってきた人生を聞き取ってみせる。どこまでも深い、それでいて不快でない人間ドラマの精髄を見るドキュメンタリー。

小森はるかさんのカメラはさながら座敷童のように存在感を消し去ってしまい、その人の喜ばしいことは堂々と、失ってしまったものはさりげなく、程度を変えつつも一切漏れなく魅力的に映し続ける。常に変化する状況に身を任せ貪欲にショットを追求する姿勢は今日本にいる誰よりも映画的だと思う。濱口竜介や三宅唱ではなく、彼女の映画こそとにかく多くの人に見てもらうべきなのだ。
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