松浦義英

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗 4K復元版の松浦義英のレビュー・感想・評価

4.0
16.10.30:TOHOシネマズ西宮OS(通常版)。
24.05.12:塚口サンサン劇場(4K版)。

字幕版DVDで観て以来、リマスター毎に色味等を確認する作業と化している←
今回は4Kリマスターなんだけど、『夕陽のガンマン4K』ほど恩恵はなかったかな。
色味も同じだし、『the good,the bad,the ugly』とアニメ?で字幕追記される二箇所のリマスターは甘いし。
もしかして16年と同じマスター?
どうせなら最初期のソフト化の色味にして空がちゃんと青色のサッドヒルを見てみたかったな←
…今回の『ドル三部作4K』で素晴らしいリマスターだったのは『夕陽のガンマン』に軍配ですな。
個人的にはトリロジーではベストなのでリマスター具合がバキバキでありがたかった。

一番好きなキャラクターは大尉。
あと『Ecstasy of Gold』より、直後の『The Trio』の音楽のほうが好き。
あと『Story of a Soldier』のメロディは外せない。
前作の『ガンマンの祈り』のメロディには敵わないけれど。

一部の復元場面のイーストウッドの追録はイーストウッドがやっているけれど、一部の箇所はイーストウッドに近い声色の人持ってきてましたね(笑)
エンリコマリアサレルノが吹替ている。似ている部分もあるよね。
本人が全部吹替できそうなのにね(笑)
それでいうとイーライウォラックの追録もギリギリ間に合ってたのが凄いよね。

パブロとトゥーコのいびつな兄弟愛に黙るブロンディー、好きだな。
(トゥーコが部屋の前でイエスに祈りを捧げているのが最初は解らないのがニクい)
イーストウッドに貫かれる寡黙な男のイメージを決定づけたトリロジーだよね。

南北戦争を主題に持ってきているし、レオーネだから身体障害者となった傷痍軍人がたくさん出てくる。
エンジェルアイズの情報屋は下半身がないハーフソルジャーだし。(ストレートな役名なのが素晴らしい)
とっても明るいキャラ故にその裏とか経緯とかを敢えて考えると悲しくなるよね。
昔の映画の方がダイバーシティ&インクルージョンが浸透してたという皮肉ですよね。

でもブランソン橋のシークエンスはちょっと予算が余ったのかしら、少し蛇足間が強すぎた気がする。
あそこの場面があるから大尉が活きてくるんだけどね。
前半の悲哀との対比なんだろうけれども大味過ぎだと思ってる。
(そういう面、『夕陽のギャングたち』
のメキシコ革命はちゃんと機能しきってたからね)
でも爆破の際の飛石は『サッドヒルを掘り返せ!』で色々聞いてるから臨場感はあるよね。最近の映画ではあまりないからこそ引きの画はいいよね。

そういえば。
トゥーコの役にイメージされていたのはジャンマリアヴォロンテだったとか。
ラモン→インディオとスーパーステレオタイプな悪役を演じた後で
ヴォロンテがトゥーコを演じていたとしたら…トリロジーでの彼の評価が難しくなりそうだから…
(彼には同時に『群盗荒野を裂く』の打診があったそうで、
キャラ的にはチュンチョもトゥーコも似ている部分はあるよね。
チュンチョの方が政治思想的にピッタリだったとかなんとからしい。
確かに気持ちいい演技だったよね)
イーライウォラックで良かったんだろうね。
それがなければ、『ミスティックリバー』でのイーライウォラックの出演もなかっただろうし。
松浦義英

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