とり

シークレット ウインドウのとりのレビュー・感想・評価

シークレット ウインドウ(2004年製作の映画)
3.0
これは⋯認めたくないけど⋯駄作ちっく。
キング原作、しかも結末が原作と違うということだったので楽しみにしてました。
けど、原作読んでようが読んでなかろうが、子供でも先が読めるありきたりな展開。
結末どころか目の前の展開すら読めましたって。

だいたい、全体的に地味で淡々としすぎ。
劇中ジョニー・デップの一人芝居が大半を占めます。
これ、彼じゃなかったらひょっとしたら退屈で苦痛以外のなにものでもなかったかもね。
ジョニーの演技がズバ抜けて素晴らしかったとも感じないけど、彼特有の役作りは観ていて飽きさせなかった。特にラストの彼はかなり印象深い。
あれだけ怪演だったわりには読後感(て言うの?鑑後感?)薄いのは悲しい。

ジョニー・デップ扮する作家(キングの小説では主人公が作家というのが多いですね)は他の男から妻を奪われ、離婚印を押すだけの身となった哀しい中年男。
荒みきった生活を送りろくにお風呂にも入ってなさそうで小汚い。
が・・・が!しょせんジョニーが演じる小汚いおやじなんてたかがしれている。
どれだけ寝癖がつこうが、ボロボロのガウンをまとっていようが、にじみ出る格好良さはいかんともしがたい。
そんなわびしい絶望の一人暮らしをしてるところへ、非常に怪しい男が現れる。
盗作の疑いをかけられたジョニーの身に次々と襲い掛かる恐怖!

って恐怖感ないんですね、あんまり。
2回ほど音で驚かせるというややセコい仕掛けはあったものの、それ以外は本当に淡々としたもんです。
ジョニーが脅える姿も笑いでしかない。
脚本に無理があったのか、原作が地味すぎたのかはわからないけど、サスペンスとしても推理モノとしてもいまひとつ。
伏線らしき意味ありげなものもいくつか見られたけど結局放りっぱなし風味。

カメラワークについてもところどころ私好みのショットはあったものの、ほとんどは雑に感じました。雑でないというなら、センスが悪いんじゃないかな。
しかしながらオープニングの屋外から鏡を通り室内に入るロングシーンは非常に上手いと感じました。
どうやって撮影したのだ?CG???
あと、ラスト近くの妻が***する瞬間のシーン、直接撮影せず上空からの家の俯瞰図に切り替わったのも良かった。
まぁ、これは賛否両論あるかと思いますが。

そして、物語の肝であるところのドンデン返しというんですか?そこが非常に静かにいつの間に?って感じで返ったのが残念。
起承転結の「転」がするーっと過ぎ去ってラストに向かっていく。
ここでのジョニーの演技もちょっと押さえ気味じゃなかったかな~。わざと?

それから、期待通りというかそれほどでもないというか、スタッフロールは最後まで観ましょう。
犬のチコもhimselfとしてクレジットされてます。
そしてオマケといえなくもないものもあるので、耳に意識を集中するべし。

日比谷スカラ座にて(現在はTOHOシネマズ日比谷)
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