イチロヲ

ヴァージンなんて怖くないのイチロヲのレビュー・感想・評価

ヴァージンなんて怖くない(1984年製作の映画)
3.5
交通事故死した姉の喪失感に苛まれているラジオDJ(鎌田みゆき)が、姉の元カレ(古沢一郎)に庇護されながら、不良グループの襲撃を掻い潜っていく。町の愚連隊の内乱に巻き込まれた女性の逃避劇を描いている、日活ロマンポルノ。

70年代東映ピンキーのような、セックス&バイオレンスを踏襲している作品。暴力描写の連続による作劇だが、舞台が激しく移り変わるので飽きることがない。竹の子族の衆目を浴びながらゲリラ撮影をおこなうシーンと、安岡力也の特別出演が見どころ。

「自分のリクエストを貶されたから」という理由だけで犯行に及ぶところに、チンピラの狭量さと凶暴さが滲み出ている。終局に入ると、これまた東映番長映画のようなバイク・スタントが展開されるので、ヘンテコな気分にさせられる。

チンピラの生態をフィジカルに表現していく演出力は、後年の「ビー・バップ・ハイスクール」のヒットにより、一般的に認知されることになる。那須監督の潜在能力を確認することができる作品。
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